計画開始前の決意 三月の花 |
―2034年5月01日 「…桑古木…準備は良い?」 俺の名前呼ばれ振り向いた、そこには‥‥ 「ああ、良いぜ、優」 田中優美清春香菜、今回のある計画の首謀者であり俺…桑古木 涼権のパートナーだ。 計画‥‥俺の立っている真下にある………いや、俺と優の今居る場所、海洋テーマパーク『LeMU』において17年前と全く同じ事故を起こす事―― 17年前、その事故に巻き込まれた6人の少年少女。 そこでは不自由は多少なりとあったものの全員 ―救助が来る― そう思い、生きる為に生活した。 しかし神の悪戯か悪魔の仕業か……救助されなかった人達がいた。 ―倉成 武― ―八神 ココ― 俺達はその2人を助ける為に………そしてLeMUの親会社にして裏で色々な暗躍をしている製薬会社ライプリヒ製薬を叩き潰す為に、株式会社LeMUに入社して俺達は17年もの月日を過ごした。 「桑古木さん、田中先生、計画実行まで後2時間です」 茜ヶ崎 空……17年前の事故の生き残り、本来彼女は肉体を持たないAIだけの存在だったが優が機械的な肉体を与え、今では普通の人間の様に生活している。 俺達3人はその事故に巻き込まれた被害者だった。 「もうそんな時間なのね、つぐみと後2人は?」 「既にLeMU内にて存在を確認されました」 小町 つぐみ……事故の生き残りでありキュレイと言う不老不死と高い身体能力を得るウイルスに感染されているキャリアである。 事故の時ティーフ・ブラウと言う極めて高い致死性を誇るウイルスに、つぐみと空を除く全員が感染して、つぐみの体内に存在するキュレイウイルスにより完治………しかしキュレイの影響により俺達はキュレイ感染から5年後の姿のまま変わる事は無くなった。 後2人は倉成 武と小町 つぐみの間に出来た双子男の子と女の子。 「ホクトと沙羅……か」 「そして彼はホクトに降りるわ……空、彼はもう?」 「いえ、今のところはその様子はありません」 「………そう」 ――彼 この計画の発案者にして、武とココの事を教えてくれた存在……優は彼の事をW.B…… ブリック・ヴンケルと名付けた。 「優、本当にうまくいくんだろうな」 「ええ、心配は無いわ」 「なら良いけどよ……まあ、今更四の五の言っても始まらねえ、この日の為に17年と言う月日を耐えて来たんだ!」 「………桑古木さん」 「そうね、この長かった月日、無駄に出来ないわ……頼むわよ桑古木」 俺の役目……それは倉成 武に成り切る事。 俺を武の代わりに、そして―― 「田中先生の方は…本当によろしいのですか?」 「空……ええ、ユウなら大丈夫、私の娘だもの」 そう、優美清春香奈の代わりは自分の娘……そして自分自身……田中優美清秋香奈―― 「解ってる桑古木、計画中は……」 「連絡は一切出来ないんだろ、解ってるよ、それにホクトの記憶が無くなる事も……記憶を無くした辛さは俺が良く知ってる」 「桑古木さん………」 そう、17年前の今日以前の記憶は失ってる、思い出せたのは桑古木 涼権と言う名前だけ―― 「心配すんなって空、俺は大丈夫」 「そうですね……桑古木さん、倉成さんに似てきましたね」 「当たり前だ、今までの武に成り切る為に頑張って来たんだ、これで似てないって言われたら水の泡だ、それに武に憧れてた俺には褒め言葉だぜ」 そう、俺は事故の時から武に強い憧れてを抱いていた―― ―何時か僕も武みたいになりたい― 「しっかし、まさかこんなに形になるとは思わなかったけどな」 「いいじゃない、憧れての男を演じるんだから………そろそろ時間よ」 話や考え事をしていると計画開始まで後、30分になっていた。 「よっしゃ、一丁がんばんべーや!!」 「頑張ってください桑古木さん」 「しっかりね」 「おう!!」 そして俺は走った。 全ての始まりと終わりの場所へ。 (……武……ココ……待ってろよ……必ず……必ず俺達が助けてやるからな!!) ――そして、俺の海洋テーマパーク『LeMU』での新たな長い7日間が始まる―― |
後書き: 桑古木誕生日記念に書いた物です。 所謂『よくある』物ですね。 ごめんなさい、これしか思いつきませんでした(爆)。 これで感想なんか頂ければ幸いです。 ではまた |
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