「唯笑?お前何を怒ってるんだ?」
「怒ってなんかいないよ」
智也を見つめる唯笑・・・。
「そうか?・・・唯笑?」
「うん?」
何か調子狂うな・・・て、仕方ないか・・・今日まで黙っていたからな・・・。
唯笑の誕生日。忘れた振りをしていたからな。
「何、智ちゃん。唯笑ちょこっと急ぐんだけどな」
「あれ?お前さっき何もないって言ったじゃないか」
「・・・・・」
機嫌悪そうだし、じらすと余計に拗ねるから・・・。
「唯笑?今日は何の日だ?」
「え????」
考え込む唯笑。
まったく・・・自分の誕生日も覚えていないのか、こいつは。
「お前の誕生日だろ今日は」
「あ、智ちゃん・・・覚えていてくれたんだ」
呆れた顔をする智也。
「あのな、何年お前と付き合っていると想っているんだ?」
唯笑の顔がだんだんと喜びの笑顔に変わっていく。
「唯笑、手を出せ」
「何かくれるの?」
「いいから・・・」
智也の前に手を出す唯笑。
後ろに隠し持っていたプレゼントを渡す。

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