REMOVER11
                              かぱちゃぱ

第一話 「謎の円盤 UFO」





  20○○年 優希堂悟の自宅兼研究室。
  榎本尚哉は突然、悟から呼び出された。
 
「何があった?」
  榎本の問いにモニターの前に腰掛けた悟は簡潔に、か
 つ憮然と答えた。
「誰かが俺のデータベースにハッキングを仕掛けてきた。」
「何?!君の個人データベースを狙ってか?!」

  かつて時空転移と人格転移を引き起こし、そのついでに
 奇跡を起こした優希堂悟の理論。(マテイ)
  その全てが悟のパソコンには収められていた。
  いや、正確にはここにしか存在しないデータだ。

「考えうる最高のセキュリティを掛けていた筈なんだが、世の
中、上には上がいるって事か。」
「全くだ。それでどうなった?」
  ボヤキに同意しつつも、その結果が気になる榎本。
「どうなったって?」
「だから君のデータバンクだよ!その中には例の・・・・『優希
堂計画』の顛末と関連データが入ってるんだろ?」

「持ってかれた。そっくりそのまま・・・・な。」
「――――何!?」
  事の重大さに慌てる榎本と対照的に、一部始終を見守っ
 ていた悟は冷静にモニターを睨んでいる。
「落ち着け。取られたもんは取り返す。」
「しかしだな!そんなに悠長にしてもしアレを発動されでもし
たら――――」
  いわゆる天才に分類される優希堂悟だが、意外な所で
 大ポカをする事もしばしばだった。
  その為、数年前には榎本も苦労させられたのだが・・・・
「ま、持ってかれたファイルにプロテクトと一緒に偽装も施して
あるから、しばらくは大丈夫だろう。」

「また俺が後始末って事か・・・・・・orz」
  万が一の汚れ役を引き受ける覚悟はあるものの、なるべ
 くなら2011年の時のような事は避けたい榎本。

「しかし見事なもんだった。何て言うか見事過ぎで人間業とは
思えなかったくらいだ。」
  良いもん見たぜと言わんばかりな口ぶりの悟。
「感心してる場合か!何で黙って見てたんだ。」
「俺が対処出来るレベルじゃなかった。ヘタに電源でも切ろう
物ならそれこそデリって根こそぎアウトさ。」
  悟らしく正論で返し、榎本は二の句が繋げない。

「しかしだな・・・・」
「落ち着け。そろそろ沙也香がこっちに来る。ちょうどいいから
今日は沙也香と夕食でも付き合ってやってくれ。」
「・・・・・・・ああ。」
「何か明日までに対処法は考えておくよ。」
  メモ用紙に何かを書き込むとそれを榎本に差し出す。
「じゃあ俺は行くから。これ、手がかりになるかと思って発信元
のデータを拾っといた。調べてみてくれ。」
「分った。」
  悟がこう言っている以上は榎本も成り行きを見守るしか
 ない。
「それとな。沙也香に手を出すなよ。」
「―――出すか! いいからさっさと行け!!」

        ・
        ・
        ・

「あれ?榎本さん。来てたんだ。」
「・・・・・・・沙也香ちゃんか。」
  榎本が妙に疲れた表情をしているのに気付く。
「もしかして、お兄ちゃんがまた困らせちゃったの?」
「いや・・・まあ・・・いつもの事さ。それより今日は何か美味し
い物を食べに行こうか。沙也香ちゃんの好きな所でいいよ。」
「ねえ、それってもしかしてデートのお誘い?」
  悪戯っぽく言う沙也香。
「ははは・・・・遠慮しとくよ。お兄ちゃんがいつ顔を出すかと
思うと気が休まらないからね。」
  冗談とも本音とも思えない顔で榎本はお誘いを断った。



          島刀@     島



  同時刻。放課後の鳩鳴館女子高等部校舎。
  ハッキング同好会と書かれたその一室では・・・・

「・・・・・・終わったみたいですね。(ドキドキ)」
「どう・・だったの?マヨ・・・・・・(ワクワク)」
  二人の先輩が見守る中、沙羅は得意げな顔で振り返り
 こう言った。
「フフッ♪ バッチリお宝は頂いたでゴザルよ、ジゲーン♪」
  ルパンなんだか五右衛門なんだか・・・・・

  何はともあれメデタイ報告に諸手を挙げて喜ぶ真篠と優。
「おおっ!流石はライプリヒ製薬開発室次期幹部候補。」
「やはり幼い頃から研究施設で軟禁生活を強いられてただけ
はあるわね。」
  ・・・・褒め称えてるのか何なのか分らない賛辞だ。
  二人とも俗に言う、仮面ライダーの中ではライダーマンが
 一番好きなタイプなので悪の組織に身を置く後輩の生い立
 ちに同情しつつもツボに来たとか何とか・・・・・・

  で、その沙羅はと言うと・・・・・
「え〜と・・・・・ま、まあハーフキュレイの拙者にかかれば所詮
この程度のセキュリティプログラムは温いでござるからして♪」
  困惑しつつも誉め言葉として受け止める辺り、強くなったと
 いうかハッキング同好会に毒されたと言うか。

  実際、沙羅のライプリヒ製薬内部の待遇はむしろ良い方で
 その”天才のみが持つ領域と可能性≠ノ心酔し信奉する研
 究員も日に日に増えているくらいだ。

  まあそういった沙羅の才能に惚れこんだ中の一人が優でも
 あるのだが、待遇がどうにも・・・・・・・。
  ていうか、むしろハッキング同好会の方が悪の組織的発想
 の下に沙羅の才能を使っていたり〜〜。(オイオイ)

  既に待ちきれない様子の優。
「さてさて!では早速、例の@D希堂計画”とやらの全貌を見
ようじゃあ〜りませんか。」
「まっかせてください、なっきゅ先輩。今、ちょちょいっとこの小
癪なプロテクトしますからね。」
  期待に満ちた目で見る優と真篠の目の前のモニター画面
 に沙羅の操作するウインドウがSF映画並に目まぐるしく走る。
  沙羅に小癪と評された世界最高峰のプロテクトがいとも簡単
 に剥がされて行った。

「ああ♪やっぱりマヨを同好会に入れて正解だったわ♪」
  その様子を満足げに見詰る優。  
「マヨちゃんの入学からこっち、同好会の活動レベルが以前
とはダンチになりましたからね。」
「・・・・・・どーいう意味よ?」
  沙羅が来る前の同好会の活動は、方向性が定まらない上
 に何をしたいんだかも不明な状態で、他の部の応援なんだか
 邪魔なんだか分らないほど混沌としていたのだった。

「フ〜ジコちゃ〜〜ん♪いま着てるものをゼ〜ンブ脱がせてあ
げるでござるよ〜〜♪」
  などと言いつつ、ハッキングしたデータのプロテクトを余裕で
 外していくルパン(?)気分の沙羅。
  でも言葉づかいは五右衛門っぽいぞ。

  ちなみに”フジコ≠ニは今回のハッキングデータを焼き付け
 たテラバイトディスクの円盤に付けられた名前である。
  命名&書いたのはもちろん優。

「でも、なっきゅ先輩ってば何処でこんな面白い情報を仕入
れたんですか?」
  待つ間、スナック菓子を摘みつつを真篠が聞く。
「え?う〜〜ん、まあちょっとね。サイト巡りしててログ拾って
たら2011年の飛行機墜落事故で死んだ筈の人が発見され
たのなんのって書き込みがあったのよ。」
  行方不明の父親の情報を探している時に偶然見かけた
 情報なのだが、優はその事は隠し、事の顛末だけを説明
 した。

「それはまたミステリー・・・・というか感動的というか。」
「でね。その事故と同時刻にライプリヒ製薬の関係施設で何
かの大掛かりな非公開実験を行ったって噂があって〜。」
  当時はちょっとした噂になった事件なのだが、いつの間
 にか人の話題から消え、今は憶えている人さえ少ない。
「なるほど。ライプリヒって色々と胡散臭い噂がありますから
ね。」
「噂どころか目の前に被害者がいるでござるよう。(涙)」
  キーボードを目まぐるしく叩きながらも、自己主張とツッコ
 ミだけは忘れない所がまだ見ぬ父親とよく似てる沙羅。

  ピー―――――ッッ。 シュンッ ヒュヒュンッッ

  突然、画面に無数のウインドウが開放される。
  遂にプロテクトが解かれたのだ。

  現れた情報に釘づけになる三人。
  その表情は驚きに満ちていた。
  ・・・・・・というか、唖然と言うか呆然と言うか。

「・・・・・・・何よ、これ?」
「・・・・・・・ピンクレディー?」
  モニターに現れたのは間違う事なき、伝説のアイドルユニ
 ット・ピンクレディーの歌詞と振り付け写真であった。
  しかも曲名は往年の大ヒット曲『UFO』!

「・・・・・・・あ。」
  マウスを走らせる沙羅が何かを見つけたようだ。
「な、何?何か他に見付かったの?」
「・・・・・・『UFO』の音楽ファイルもあったでござる。」

  聞いてみるとそれはCD音源でもオリジナル音源でもなくレ
 コード盤から録音した音源だった。
  わざわざレコード針の擦れる音を選んだ辺りがまたマニア
 ック。

「正に古典アイドルファン垂涎のいたれり尽くせりセットって所
ですね。」
  そこら辺に通な真篠が感嘆の声を漏らす。

「つまり、例の優希堂悟はピンクレディーの熱狂的ファンって事
を隠す為にこんな手の込んだ偽装をしたって事なの?」
「意味無いですよ。ていうか訳分りません。」
  なっきゅ先輩じゃあるまいし、と心の中で呟く真篠。

「もしくは・・・・・ファイルの偽装じゃなくて情報自体を暗号化し
てるって事でしょうか?」
  一人、真剣な意見を述べる沙羅。
「マヨ。・・・・・解読出来る?」
「やって出来ない事もないですけど、暗号パターンの読み取り
から始めて解読プログラムを組むとなると最低でも5時間は。」

  5時間でも世の諜報機関が涙を流してスカウトに来るくらい
 とんでもない解読時間なのだ。
  が、宴会の準備までして、せっかくここまで盛り上げた優に
 とっては長すぎた。

「え〜〜〜〜?せっかくお酒まで用意したってのに、このテンシ
ョンを下げるのはもったいないわよう!」
「お寿司屋とピザ屋の電話番号も控えてたのに。」
「先輩たちの関心はそっちの方ですか?(汗)」
  思わず一人ごちる沙羅。

「もしかして、この踊りと歌詞自体に何か特別な意味がある・・
・・・なんて事はないですよね。」
  ちょっと思いついた程度の何気無い真篠の一言が探究心
 以上に強い優のお祭り根性に火を点けた。

「――――それよ!」
「はい?」
  いきなり素っ頓狂な声をあげた優の顔を見る真篠と沙羅。

「何故こんな事をしたのか。それは優希堂悟本人の気持ちに
なって見なければ分らないじゃない!」
  力説を始めた優に嫌な予感を感じる二人。

「・・・・・・・・・まさか、先輩?」
「そうよ。踊るのよ!」
  真篠の嫌な予感は見事に当たった。
「そうする事でしか、この円盤の謎は解けないのよ!」
  と、メディアディスクを高々と掲げる優。
「あ、あの拙者は研究所の門限やら仕事やらが・・・・・・・」
  唖然とする真篠を尻目に自分だけは逃げようとした沙羅だっ
 たが。
「大丈夫よ。もしマヨの学校生活を邪魔したらホ○だって噂を世
界中に配信するわよって研究所員に言っておいたから。」
  と、言葉を失う沙羅の肩を笑顔で叩く優。
  実に後輩思いの先輩であった。

  かくして、解読すれば数時間なのに態々一日かけてピンク
 レディーの振り付けを練習する羽目になったのであった。



          島刀@   島



  翌日、やけに渋い顔をした榎本が悟の前にやって来た。
「・・・・・・頼まれた物を持って来たぞ。」
「ああ、済まんな。こんな事を頼めるのはお前しかいない
んで助かったよ。」
  礼を言いながら包みの中を確認する悟。

「まったく。これを手に入れるのにどれほど苦労したか。」
「苦労よりも度胸がいったな、榎本?(ニヤリ)」
  ボヤく友人に突っ込む悟。

「そ、そんな事より君は何をする気だ、優希堂!」
  入手した経緯が歪んだ想像されそうで、慌てて話を変
 える榎本。

「決まってる。取られた物を取り返しに行くんだよ。」
  人の苦労も知らんと、悟は理論的に簡潔に言う。

「し、しかしだな・・・・・・」
「現状と現場を見るに、俺自身が赴いた方が迅速かつ適
切に事後処理が出来ると考えたまでだ。」

  確かに”優希堂悟≠ネら不信を抱かせる事無くそこに
 潜り込む事が出来るだろう。
  が、それに伴う問題は全て榎本が処理するハメになる
 のは目に見えていた。

『沙也香ちゃんもこんな兄さん持って苦労するよな。』
  と、榎本は心の中で沙也香に同情した。
  もっとも沙也香の方も榎本に同情してたりするのだが。

「それに、アレを持ってった連中がどんな奴等で、そして
何の目的で使うつもりだったのかが知りたくてな。」
「・・・・・・本当の目的はそっちの方か。」

  以前、アレがもたらした物、そして本来の目的は今考
 えると身震いする程オゾマシイ。

「で?犯人はこの連中で間違いないのか?」
  隠し撮り・・・・ではなく、何かから引っ張り出した集合
 写真のようにポーズを決めた写真のコピーをもう一度
 見る悟。

「ああ。にわかには信じがたかったが、メンツを見て納得
した。」
「何だ。誰か有名人でもいたのかよ?」
  溜息と共に頷く榎本。
「そのものズバリのライプリヒ関係者がいた。しかも次期
幹部候補で社内にシンパも多い人物だ。」
「・・・・・・・今回の件には裏があるって事か?」
  榎本の額に嫌な汗が滲む。
  それ程の人物が絡んでいるとなると、下手をすれば社
 内に敵を作る事になりかねないからだ。

「社の連中ならこんな手の込んだ事はしないさ。あの事件
のデータなり計画書が欲しいなら堂々と接収するだろう。」
「あるいはデータを他の社に売り飛ばす気か?」

  例の事件の真相を知る人間は少ないとは言え、誰か
 が断片的な事象を並べた時に何かに気付いた可能性
 も否定できない。

「なあ優希堂。やはり君が直接行く事には賛成できない。」
「しかし、お前が行くと却って問題が増えるぞ?」

  結局、折れた榎本だった。




          島刀@   島



  放課後の鳩鳴館女子高の校舎を歩く悟。
「・・・・・・・ここ、か?」
  どっかの書の大家が書いた様な気合いの入り過ぎた
     ”ハッキング同好会
  と、立て看板が掛けられた一室。
  その前で悟は立ち止まる。

「女子校ってのがここまで理解できない物とは思わなかっ
たな。」
  痕跡も残さずにライプリヒ製薬データバンクに侵入した
 かと思えば、”ハッキング同好会≠フ立て看板がある。
  仮に、何らかの組織なりがバックに付いてたとしてもや
 る事が奇妙過ぎる。

「もしかして・・・・・俺を罠に嵌める事が目的?」
  もしこの中にいるであろう何者かが、悟の性格を研究
 し尽くした上での行動だとしたら。
  そんな考えが頭を過り、ドアに手を掛ける事を躊躇して
 いると、
「――――っっ!?」
  突然後ろから肩を掴まれた。それもガシっと。

「なっ?」
「あなた。ハッキング同好会に興味があるのね?」
  慌てて振り返る悟を獲物を狙う獣の目で見詰る優。
「ああ・・・・確かに興味・・・というかそれに近いの物はある
が。」
  例のハッキングの関係者らしい人物の登場に少し警戒
 する悟。
「そう。そうなの〜。余り見かけない顔って事は・・・・あなた
新入生ね?」
「まあ、そんな物・・・・だな。」
  鳩鳴館女子の制服を着た悟はまず間違いなく、目の前
 の少女の後輩に見えた。

「フフっ。綺麗な髪ね。まるでお人形様みたいよ、貴女。」
  怪しげな台詞と共に悟の長い黒髪を空かれ、背中に怖
 気が走る。
「ちょっ、ちょっと待て!お前まさかそんな趣味がっ!?」
「や〜ね〜。冗談よ、冗談♪」
  手をパタパタ振りながら、慌てる悟をさも可笑しげに見る
 優。

『クソっ。やりずらい奴だな。(汗)』
  普段なら、こんな事をされたらさっさと帰る悟なのだが、
 今回ばかりはそうも行かなかった。

「あなた、名前は?」
「・・・・・・・穂鳥。涼蔭穂鳥。」
  悟は前もって、転入生として生徒登録の偽装をしておい
 た名前を名乗った。
「穂鳥ちゃん・・・・か。よろしくね。私は田中優美清秋香菜。」
「――――ああ。」
  妙にハイテンションな優に疲れた悟は気のない返事を返
 した。

「う〜ん。穂鳥ちゃんは運がいいわね〜。」
「何でだ?」
「実はね。今、私たちはある実験を始める所なのよ。」
「―――――!? 実験?」
  驚く悟の顔に掴みはオッケイと思ったのか、得意げに話
 を続ける優。
「そう。その名も”優希堂計画=I!」
  そんな優とは裏腹に事態に戦慄する悟。


『実験?昨日の今日で準備を整えたってのか?早すぎる。
いや待て!既に準備を終えていて、後はデータを手に入れる
だけだった?
しかし、あのデータの偽装は数年の間に幾重にも掛けたプロ
テクトが・・・・
まさか?罠に嵌められたのか?この俺が?
ちっ!次期幹部候補やらの仕業か。何を企んでやがる。』


  事の真偽を、そして真意を知る為にも覚悟を決めるしかな
 いと悟は決意した。
  少女に誘われるままに部室に入って行く。

  そして悟るが見たものは。

「――――なっ?何だこれは?」
「これが、これが優希堂計画に隠された謎よ。」
  驚いた、とうよりは呆れた顔の悟。
  何の冗談か、研究用機材も何も無いその室内はどう見ても
 宴会場としか思えなかった。
  ピザにパック寿司にオツマミ各種に飲み物はジュースから
 カクテル、日本酒まである。

  そして壁にはピンクレディーの振り付け図の拡大コピーが
 貼り付けられ、『UFO』の局をバックにそれを見ながら身振り
 の練習をしている少女が二人。

「部長〜。恥ずかしいでござるよう。」
「・・・・・我慢しなさい。これも優希堂計画解明の為よ。」
  照れが隠せない沙羅に対して、割り切ってるのか諦めてる
 のか黙々と音楽にあわせ振り付けを練習する真篠。

『オイオイ・・・こいつら何を企んで、もとい何を勘違いしてる?』

「驚いた?」
「ああ、驚いたよ。もう言葉も出ない・・・・・」
「穂鳥ちゃんには分らないかもしれないけど、これが優希堂計
画に必要不可欠な事なのよ!(ビシ)」
「――――ぶっ。」
  自信満々に言われ、思わずコケそうになる悟。

『ち、違う・・・お前らは勘違いしてる。なんで国家レベル級のセ
キュリティを痕跡も残さず突破出来る連中が、こんなデータの
偽装を真に受けるんだか。(大涙)』

 
         ( 続く )。






         【 あとがき 】

 書き終わって見たら何故か勇栄さんのレムリアで迷子っぽく
なってしまい・・・・・
 R11サイドが強いSSを考えていたんですが、ハッキング同好
会に話が引きずられマスタわ。(汗)

 えーと、まず優希堂沙也香は第2世代のキュレイです。
 12歳の時に死に掛けた際、オリジナルの少女が感染した時
と同じ歳の実験体としてキュレイウイルスを埋め込まれました。
 その結果、身体は生き長らえたものの死の恐怖から精神は
崩壊し幾つもの人格に分裂。
 沙也香としての人格は消えたものとされていた。
 しかし、紆余曲折を経て再開した兄の悟は、自分の実験結果
である”人格転移≠応用し自らが妹の人格として入り込む事で
他の人格を押さえ込み、沙也香を呼び戻した。
 こうして元々は一つだったものが二つに分かれた双子の悟と
沙也香は再び一つとなりこの世での生を受ける事になった・・・・ 

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