2人の時間
作:樋口誠


第2夜

4月28日(月)8:00 窓から入る太陽の光で目が覚めた

それに暑いぐらいの日差しを浴びて言うこともあった

「ふわぁ〜・・・・ふぅ、天気予報通りだな、暖かいと言うより暑いかな?」

昨日の夜の天気予報を思いだしながら窓の外を眺めつぶやく

そして再び背伸びと共に大きなあくび、そこにドアの開く音が響く、遙だった

「あ、起きてたんだ・・・おはよう、誠」

どうやら起こしに来たらしい、外は絶好の釣り日和だ

しかし早起きと言うのは珍しい、むしろ凄い事かも知れない

「ああ、おはよう、今日は良い天気だな」

「うん、そうだね、早く行こう、釣り」

とせがむ遙、未だにオレ達は着替えすらも朝食すらも取ってない

朝食はルナビーチに行くしかない

「まあ、まずは着替えなきゃな?」

「うん、着替えしなきゃね、じゃ、着替えてくる」

そう言い残し部屋に引き返す遙、それを合図のように早々に着替えをする

もちろん暑いぐらいの日差しだから半袖が丁度良い

早々に着替えが終わりリビングで遙を待つ、そしてテレビをつけローカル番組にチャンネルを合わせた

そしてようやく遙が来たようだ、しかもカーディガンを着込んでいる

「さっ、釣り行こう、釣り♪」

楽しげに言いながらグイグイとオレの腕を引っ張りはしゃぐ遙

しかし時間は8時を少し回ったばかりだ

「取りあえず、朝食食べてからでも遅くないと思うぞ?魚は逃げないんだし」

優しく言い聞かせるようにして再び時計を見る

そして遙にも時計を見せると軽く首を傾げ考えるような顔をして頷いた

「それじゃ、ルナビーチだね」

そう言いながら嬉しそうに微笑んで歩き出す遙、微笑ましい光景に見える

くるみといづみさんに会えるのが嬉しそうにも見えてくる

そして青空の下を暖かいを通り越した日差しを浴びながらルナビーチ目指し歩き始めた

しばらくしてルナビーチに到着しくるみといづみさんの声が出迎えた

「あら、いらっしゃい」

「いらっしゃ〜い、お兄ちゃん、遙お姉ちゃん」

「おじゃまします、いづみさん、くるみ」

軽く頭を下げ、昨日の晩と同じ場所に座る

遙は言葉を発する変わりに微笑みながら頭を下げてた

「今日は何か暑いぐらいだなぁ〜」

座った所に直射日光が入りまくっていた

それを避けるために独り言のように言いながら直射日光が入ってこない席に移った

「そうね〜、雲1つも無いから直射日光が暖かいわね、暑いぐらいだけど」

「そんで、こんなカンカン照りの時にどっか行くの?」

のんびり口調ないづみさんの後にくるみの問い、ワクワクした顔のくるみが目の前に座っている

ついでにホットミルクのカップ片手に持ち、おまけに元気ハツラツだ

「うん、釣りに行くの」

「まあ、釣りの前に朝食が先って訳だけどな」

「そっか〜、朝ご飯食べてから釣りに行くのか〜」

くるみと会話を交わしつつ注文したのはサンドウィッチ、いづみさんのお手製だ

これまたこのサンドウィッチが美味かった、優夏のと比べるとサンドウィッチは天国だ

そして食後にはアイスティーを出してくれた、暑いからアイスティーで良いよね?とわざわざ作ってくれた

合宿の時とは違いゆったりとした時間を感じた、いろいろあったから感じ無かったのかも知れない

「ふぅ・・・・・」

アイスティーを一口飲み安堵したような溜息をもらす

いづみさんもくるみも遙もノンビリしたいのか口を開こうとはしていない、それぐらいゆったりしてるのだ

「うぅ〜ん・・・・はぁ、もう9時か」

背伸びしたついでに腕時計を覗く、デジタルの時計は9時を告げている

「時間がゆったりしてると時が経つのが早いな、遙、釣り行こうか?」

「え?釣り?あ、うん、行こう」

ゆったりしすぎてボーっとしてたのかハッとした顔で振り向き頷いた

同時にいづみさんとくるみも気づき時計を見ながら立ち上がった

「くるみも行きたいな〜、いいでしょ?」

くるみは祈るように手を組み、オレと遙最後にいづみさんを見回しながら行きたいと言う事を訴えている

「オレは別に良いけど、店の手伝いはどうするつもりなんだ?」

「私も別に・・・・」

オレと遙はいづみさんとくるみを見ながら同時に承諾する

「誠くんと遙ちゃんが良いって言うならいってらっしゃ、ただし迷惑はかけちゃだめよ?」

最初は難しい顔をしていたがくるみを見つめ微笑み頷きながら言い聞かせてる

「わぁい、やった〜♪」

「それじゃ、釣りに行こうとしますかっと」

子供のように喜ぶくるみの頭を撫でながら遙を見つめ立ち上がる、そして遙も頷き立ち上がる

釣り道具を調達し日光が直射している堤防へと到着、そして3人同時に海へと糸をたらす

「う〜、やっぱり釣れないなぁ」

「誠だけだね、釣れてないの」

「才能無いんじゃない?お兄ちゃん」

オレを覗けば大漁なくるみと遙、キャッチ&リリースの繰り返しなのは言うまでもない

くるみにまで言われたと言うことは本当に才能が無いのだろう、嫌気がさしてきた

「ふぅ、暑いな・・・・喉乾いたなぁ」

太陽を睨み上げ呟く、くるみは丁度よさそうだが遙はカーディガンを着ていても暑くなさそうだ

すると何故か持ってた900ml入りのミネナルウオーターのペットボトルを取り出す遙

「はい、誠・・・・くるみはこっちのあげる」

と昨晩貰ったミネナルウオーターのペットボトルをくるみに手渡している

「サンキュー・・・っていつの間に?それにどこから?」

「ロッジを出るときに持ってきたの、ここに入れてね」

微笑みながらポケットを指差すおまけに手を入れて見せてくれた

「ああ、なるほどな」

「流石だね、遙お姉ちゃん」

900ml入りのミネナルウオーターだが半分しかないから遙と回し飲みだ

くるみの方は一本貰って喜んでいる、そして開けるやいなや一気のみで飲み干す

「はぁ、釣れないって暇だな」

大漁の遙とくるみをよそに今回も釣れない、ただ糸をたらし海を見つめるしかなかった

昼はルナビーチで食べることにした、特製の冷製パスタをご馳走になって釣りを再開

「う〜、やっぱり釣れないなぁ」

「誠だけだね、釣れてないの」

「才能無いんじゃない?お兄ちゃん」

同じ台詞を呟いたオレ、本当に釣れないからこその本音に同じ台詞の遙とくるみ

そして気が付けば辺りには夕闇が迫ってきてる、流石には日が長くなった海は綺麗だった

「気づけば5時か・・・・そろそろ帰ろうか?」

「うん、そうだね」

「くるみはお姉ちゃんの手伝いしなくちゃ、開店休業状態でも」

そして釣り道具を片付け返しに行くついでに商店街を見て回ろうと遙の提案で商店街を回った

「やっぱり、めぼしいものって流石にないな」

「こんな島だしねぇ、でもねお兄ちゃん、お土産なら月屋にいけば買えるよ」

「月屋か、行ってもほしいものなさそうだけどな」

「あ、ちょっと待ってて」

それだけを言い残しスーパーともコンビニとも似つかない店にフラリと入っていって、その姿を視線で追う

「お待たせ・・・・」

フラリと入った店から大きなビニール袋片手に小走りで戻ってきた、袋の中身はペットボトルのようだ

「遙、それ全部飲み物か?」

「うん、くるみがロッジに遊びに来るって言ってたでしょ?夜になったらって」

「うん、行くよ?今晩」

「ああ、だから飲み物か、いづみさんもくるかもしれないしな」

そんなこんなで会話しつつもようやくルナビーチの前に到着

時間は6時を告げていたが早めの夕食を食べる事にした

「誠、今日は大漁だったね」

「ああ、オレは全然つれなかったけどな」

「ふふっ、誠ってやっぱり才能ないんじゃない?」

「やっぱり才能ってないんだろうな、オレに」

いづみさんにはパエリアを注文しテラスにあるテーブルに行く、寄り添うように隣同士に座り左手を遙の肩に回す

波の音をBGMにし星と月がきらめく夜空を映し出している海を眺め、今日1日の事で会話に華が咲いた

「おまたせ〜、できたわよ」

「早く食べようよ〜」

そしてそこにパエリアがようやく運ばれて4人でいづみさんお手製のパエリアだ

パエリアを食べながら話をし盛り上がった

話の中心はくるみだったが退屈もせず笑いも絶えない楽しい話ばかりだ

話のネタはどこからだろうと思ったがくるみの事だしネタはおさえてあるんだろう

「ごちそうさまでした、それじゃお休みなさい、今夜は遊びに来ないんですね?」

「ええ、珍しく今晩はお客さんがいっぱい来てるし」

バーにもなるルナビーチ、客を背にし遙とオレを見送ってるくるみも元気よく手を振って

そして帰り際に露天風呂によって露天風呂を楽しむ、露天風呂から帰ってきた今はリビングの窓を開けソファーに座ってる

「今日は楽しかったな、遙」

「・・・・・」

「遙?」

星空見ながら声をかけたが返事がない、視線だけ巡らせ遙を見ると小さな寝息を立ててオレの肩にもたれて眠る寝顔があった

「疲れたんだな、はしゃいでたし」

手にしていたビール、それをさっさと飲み干しからになった缶をテーブルに置き遙を起こすまいとオレもソファーで目を瞑る

4月28日(月)PM10:30 残りの数日間を遙と楽しくすごそう、心で呟き遙と一緒に深い眠りについた




後書きのようなもの---------------------------------------------------------------

前回同様だめっぽいですね
それとこれまた前回同様に遙の事を遙お姉ちゃんとくるみに呼ばせて見ました
三姉妹ですからね、しかし遙の台詞が少ないのが欠点でした、この時点で気づきました
まあ、なにはともあれ次回をお楽しみに
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