THE・MEMORIES・OFF・FIGHTERS2001(MOF)
作:メンチカツ
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6話 『第一回戦・2』
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とうとう戦いが始まった。
俺は正直言って、KOFという格闘大会をなめていた。
K−1など、実際に見たことのあるものと比較し、
こちらの出場者はみんな私服だし、グローブとかも無いし、女性も参加していたからだ。
しかしこのあと、俺の考えが大間違いであることを思い知らされることになる。
「久しぶりだな、真吾。どのくらい強くなったのか、確かめさせてもらうぜ!」
「望むところです!」
「こっちからいくぜ!虎煌拳!!」
「うぉっとぉ!」
二人は、二言三言話すと、戦いを始めた。
・・・なんだあれは?
あの、リョウ・サカザキという選手が出した、不思議な物は。
「・・・・神楽、あれはいったいなんなんだ?」
「なに?虎煌拳の事?あれはリョウの良く使う技よ?」
「いや、そうじゃなくて、虎煌拳って言うのはなんなんだ?」
「・・・・そうねぇ、あなた達に分かりやすく言うなら、『気』よ」
・・・・・気?
中国とかで良く聞く、気功とかのことだろうか?
「・・・・気功とかいうやつか?」
「・・・・まぁ、そんなものだと思って頂戴」
「・・・・みんなあんなの使うのか?」
「それは人それぞれね。草薙は火を使うし、ニ階堂は雷を使うわ。」
・・・・それって、反則じゃないのか?ってゆうか、なんでそんなもんが使えるんだ!?
「この大会には、彼らのように特殊な力を持った選手が、より強くなるため、
より強い格闘家と戦うために、各国から出場してくるの。そんな彼らにとって、普通の人間では役不足なのよ。」
・・・・特殊な力・・・
「彼らの操る力も、彼らの立派な個性の一つ。だから、この大会では、その力を使った攻撃も許可されているのよ。」
「・・・・・俺達、本当に大丈夫なのか?」
「いったでしょ?もし私と真吾が負けても、あなた達は棄権すればいいって。
素直にこの戦いを楽しんでいればいいのよ。めったに見れるものでも無いでしょう?」
そういって、神楽は視線を戦いへと向けた。
特殊な力を持った格闘家達。
そんな彼らが腕を競い合うKOF。
確かに滅多に見れるものじゃない。
・・・・素直に楽しめ・・・か・・・
俺達がそんなやり取りをしているうちに、試合のほうはいよいよ架橋へと突入していた。
「これで最後だ!龍虎乱舞!!」
真吾のガードの上から、パンチやキックの雨あられが降ってくる。
目にもとまらぬその攻撃が終わろうかという瞬間、真吾が仕掛けた。
「うおおおぉぉぉ!!負けられないんだよぉ!!」
勢いをつけた真吾の攻撃に、リョウはまるで風に飛ばされたごみのように吹っ飛んでいった。
「WINNER IS SHINGO!」
どうやら勝ったようだ。
血の滲むような修行をし、己を極限まで鍛え上げた格闘家達の熱い戦い振りに、いつしか俺の心も昂ぶっていった。
「いやぁー、何とか勝てたっス!」
「おおー!すげぇ!最後のあの技、なんていうんだ!?」
「あ、あれは『外式・駈け鳳燐』っていうんですよ」
「すっごいねぇーー!唯笑には出来ないよぉー」
・・・・そりゃそうだ。唯笑にそんなことされた日にゃぁ、命がいくつあっても足りない。
俺達が真吾の勝利を喜んでいると、
「それでは、ROUND2に行きたいと思います!澄空チームはそのまま矢吹真吾選手。
極限流チームの二人目は、ユリ・サカザキ選手です!」
 
ワアアアァァァァァァ!!
 
司会の次の試合を発表する声が聞こえた。
「なに!?続けてやんのか!?」
「はい、そうです!」
真吾は、さもそれが当たり前のようにいう。
「自分が負けるまで戦いつづける。それがKOFよ。それでなきゃ、極限を越えることなんて出来はしないわ」
俺はここにきて、ようやくこの大会の凄さ、過酷さを思い知った。
強くなる・・・それは自分を超えること。
その為には、自分を極限まで高めなければいけない。
つまり、ここからが本番なんだ。
俺はこのとき初めて、この大会のことを真剣に受け止め、
・・・・・・そして、ある重大な決意を固めた。
 
「それでは両者、リングへ!」
「よぉし、やぁるぞぉーー!」
「負けませんよ!」
「それではROUND2を始めたいと思います!」
「ROUND2、FIGHT!」
そして、ROUND2が始まった。


>>次回へ続く




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