THE・MEMORIES・OFF・FIGHTERS2001(MOF)
作:メンチカツ
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21話 『驚愕の真実』
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「さぁ、次はあなたの番よ」
目の前の少女、クーラが俺に向かってそう言う。
まさか俺と闘うのか!?
「ちょ、ちょっと待ってくれ!おれは・・・・」
「いくわよ!」
俺の声を無視してクーラが走って来る。
いや、クーラの靴底にはスケートの刃のような物がついていた。
走るというよりは滑ると言ったほうが適切だろう。
「えい!」
クーラは、右手のグローブから氷を生み出し、俺の懐に潜り込みながら攻撃を仕掛けて来る。
「うわ!」
俺はかろうじてその攻撃を避けた。
かわされたクーラは、そのまま高くジャンプしながら、氷を撒き散らし、離れた所に着地する。
丁度K’のクロウバイツ−−−炎を身に纏い、ジャンプしながら上方向に向けて攻撃する技−−−の氷版と言った所だ。
(!?・・・・・今のは・・・)
クーラが、こちらを振り向く。
(・・・・・まさか・・・・・)
そのクーラの胸元。
(・・・・間違い無い・・・・・)
そこには、先端に綺麗な星の細工が施してあるネックレスが、陽光を浴び、小さな輝きを放っていた。
「・・・・・・彩花・・・」
俺の声に、唯笑と信が過敏に反応する。
「え!?彩ちゃん!?」
「彩花ちゃん!?・・・そんな・・・・」
クーラは、俺達のそんなやり取りに気づかないまま攻撃を仕掛けて来る。
「フッ・・・」
手を口元にあてがい、軽く息を吹く。
すると、グローブにより急激に冷やされた吐息が、冷気となって襲い来る。
「くっ!やめろ!やめてくれぇ!」
おれはなんとかガードし、叫んだ。
そして、あの長身の美女が現れる。
「やめてくれぇ!」
女が疾風のごとく駈けて来る。
「彩花あああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
影が俺の横を通りすぎていく。
そして俺の体は宙を舞った。
そしてあの光が辺りを・・・・・
いや、いつまで待っても、あの光は来なかった。
俺の体が地面に叩きつけられる。
「ぐあ!!」
何とか受身を取ったが、衝撃を吸収しきれず、その場にうずくまる。
「智ちゃん!!」
「智也!!」
慌てて唯笑と信が駆け寄る。
「いってぇーー・・・」
とっさに受身を取った為に、怪我は無い様だ。
「大丈夫!?智ちゃん」
「大丈夫か?智也」
「ああ、大丈夫だ」
唯笑と信の心配を無くすため、そう声をかける。
「クーラ!どうしたの!?」
俺達からはなれた場所で、あの女がクーラに声をかけている。
「わからない・・・・わからないよぉ!」
クーラは、酷く混乱しているようだ。
「私の中に・・・・もう一人誰かがいるよぉ!」
・・・・彩花か!?
まだあいつの意識が残っているのか!?
ならば俺は助けて見せる。
必ず、今度こそ、この命にかえても!
 
 
『ガガガガガガ・・・・ピーーー』
「ゼロ様、システムが回復しました」
「何か見つかったか?」
「画像メモリーだけが残っていました。映像をモニターに表示します」
主モニターに映し出される一人の人物。
それは、クーラだった。
試合に乱入する前なのだろう。
その表情は冷たく、睨むように防犯カメラを見つめていた。
「ほう、『アンチK’』か・・・・」
「・・・・・なにか?」
「いや、なんでも無い。試合会場の方はどうだ?」
「は、澄空チーム、主人公チームのほかに、クーラという女、それにもう一人アンノウンがいます」
「アンノウン?画像は出るか?」
「は、表示します」
クーラの画像が消え去り、もう一つの画像が映し出される。
「ほぉう、ダイアナまでいるのか・・・ならば近くにはフォクシーもいる・・・ということか」
「・・・・・どうかされましたか?」
「いや、この者達を全員リフトにて例の場所へ移せ。誘導完了と共にジェネレーターを起動させておけ」
「は!了解しました!」
そして、ゼロと呼ばれた男はこの部屋をマントを翻し、出て行った。


>>次回へ続く




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