「あ、あの、双海先輩……ですよね?」
 尋ねる少女、伊吹みなもに、答えは返って来なかった。
 黙したまま夕日に背を向け続けるその少女、双海詩音は、ひどく弱々しく見えてならなかった。
 何を思ったのだろう。
 不意にみなもが、フェンスの前まで進み出る。
 そして、小首を傾げてこう言った。
「…………泣いて……いるんですか?」
 その言葉に、初めて詩音が反応を示す。
 弾かれたように振り向き、驚きの眼差しをみなもに向けた詩音の両頬には、確かに二本の筋が走っていた。
「私、泣いていたのですか……」
 小さく呟き、その呟きよりももっと小さく微笑む詩音。
 その姿はあまりに健気過ぎて、ただ儚さと哀切を振りまくばかり……
 みなもの表情が苦しげに歪んだ。
「あの、その……無理、しないでくださいね?」
「無理なんて……私、そんなにひどい顔していますか?」
 詩音の質問に、みなもは答えを返せずにいた。
「そうですか……」
 二人の間に流れる沈黙。
 その沈黙は、気まずく、どうにも居心地の悪いものだった。
 重苦しい沈黙を振り払おうとするかのように、みなもが明るい声を上げる。
「ところで双海先輩。今日は唯笑ちゃん達、もう帰っちゃったんですか?」
 薄く透き通ったガラス細工の心が、静寂の中で密やかに締め上げられる。
「……え、ええ……今日は……今日は……」
 肩を微かに震わせ、駆け抜ける感情の迸りに何とか抗おうとする詩音。
 詩音は必死に耐えた。
 だが、耐えられたのはわずかに一瞬。
 静寂を道連れに、美しく澄んだ音をたてて詩音の心が砕け散る。
 気づけば詩音は、目の前の胸にすがりついていた。
 みなものその小さな胸にしがみついて、子供のように、堰を切ったように詩音は大泣きしていた。
 両手で顔を覆い、大声を上げて泣いていた。
 黒ずんでぼろぼろになっている、元は真紅と純白だった二枚の羽根を握り締めて。
「ごめんなさい、ごめんなさい……!」
「え?え?双海先輩!?」
 みなもには、わけがわからなかった。
 みなもは詩音のことを良く知っていたわけではないけれど、それでも彼女が人前で泣き崩れるようなタイプでないことぐらいは分かっていたから。
「ごめんなさい、ごめんなさい……!
私、何もできなかったんです……何も……何もッ!!」
 みなもには、やはりわけがわからなかった。
 そんな戸惑う彼女の視界に、ある物が飛び込んできた。
 それは、詩音の涙に濡れた二枚の羽。
 黒い涙を滴らせるその二枚の羽根は、みなもの心をも捕らえて離さなかった。
 そして、わけもわからないまま、みなももまた泣いていた。

 穏やかな春の夕暮れの中、学校の屋上で泣き崩れる少女達。
 二枚の羽をその胸の狭間に抱き、声を上げて泣いている。
 どうして泣いているの?
 そう聞いても、二人とも答えることはできないだろう。
 二人とも分かってはいないから。
 今、何が起こっていて、どうして自分達が哀しみを抑えられないのか、彼女達は知らないから。
 彼女達は、まだ、知らないから。
 知らないまま、分からないまま、抱き合い羽根を握り締めて、少女達は観ていた。
 涙のべールのその向こうで、何かが輝いたのを。
 何かが刹那、黄金色に煌いたのを……


Memories Off Nightmare
第十八章「黄金色の海」
 Produced By コスモス



 俺は静寂に支配されたこちら側の世界から、眼下に広がる自分の元いた世界を見下ろす。
 その世界もまた、こちらの世界同様に静寂が満ちていた。
 その向こう側の世界の中心には、俺の二人の親友が倒れ伏していた。
 俺は、二人に心中で詫びる。
 今更詫びたところで、どうなるわけでもなければ、二人の耳に届くわけでもないことは分かり切っていた。
 それでも、俺の影に呪縛され続ける二人に、俺はひたすらに詫び続けた。
 例えそれがどんなに無益だとしても、たったそれだけのことが、今の無力な俺にできる唯一のことだったから。
 やがて、俺と同じ過ちを犯してしまった親友が目を覚ます。
 ノロノロと起き上がった奴は、状況を理解できていなかった。
 このまま理解できずにいられれば……
 そんな救いのあるような無いような考えが、俺の脳裏をかすめていく。
 だが、俺の黙考を無視して、奴は現実を知ってしまう。
 すまない……すまない……
 残酷を通り過ぎ、もはや滑稽ですらある現実を前に、奴は恐慌状態に陥っていた。
 そんなあいつの姿が、かつての自分のそれとダブって観える。
 そう、奴は、あいつは……俺の写し身。
 同じ過ちを犯し、同じ悲劇を演じさせられている。
 だが、奴に与えられたシナリオは、余りにも残酷すぎるものだった。
 もし、この世界に神がいると言うならば、神とはあまりに残虐な存在だ。
 どうしてあいつばかりが、ああも苦しみ続けなければならないのだろうか?
 理由があると言うならば、それを俺に教えてみて欲しい。
 それは間違いなく濡れ衣なのだから……




「……………………ぁ…………」
 『泣かないで?』愛する人を見上げて、私はそう言おうとした。
 だが、その言葉は言葉にならず、代わりに溢れ出たのは赤黒い血。
「かおる!かおる!かおるッ!!」
 激しく呼びかけてくれる信君。
 その瞳からは涙が溢れ、その表情には、焦りと悲しみが溢れていた。
『私は大丈夫、だからそんなに哀しまないで?』
 私は想いを込めてじっと信君を見つめる。
「かお……る……?」
 一瞬の間を空け、信君が私の想いに気がついてくれる。
「でも、でも……俺のせいで、かおるは……かおるはっ!」
 自らを責め立てる信君。
『信君、そんなに自分を責めちゃダメだよ……確かに私はもうダメみたいだけど、これでも私、今、幸せなんだよ?』
「え?」
『ねぇ、覚えてるかな?私が、初めて本物の信君の影を踏んだ日のこと』
「あ、あぁ、あの墓地での?」
『そう、あの日、私達にとって、あの日が本当の意味での出会いだったんだよね』
「……………………」
『あの時は、怖かったなぁ……あの時の信君の目、何かに取り憑かれたみたいで、何であんな目ができるのかわからなかったっけ。
それで、いつもの信君とギャップがありすぎて、とてもじゃないけど同一人物とは思えなかったんだよ?』
「…………な……」 
『でも、あれが本当の信君だった。
ううん、ちょっと違うかな。あれも、本当の信君だったんだよね?』
「なんで、そんなこと……」


 なんでそんなこと……それじゃぁ、まるで……
「…………ぁ…………ぅ……?」
 かおるの独白が続いてゆく。
 その細断された言葉はすでになんの言葉としても成り立ちはしていなかった。
 時折、どろりとした赤黒い血が溢れ出してくるだけだった。
『あの観覧車でね?私はすごく哀しかった。信君はすぐそこにいるのに、それなのに、信君はどこにもいなくって……』
 それでも、かおるの想いはただの一瞬も淀むことはなく、ひたすらに湧き上がり続け、そして俺に注がれ続けた。
 『信君……』『信君?』『信君』『信君!!』
 その想いは、全て俺に始まり俺に終わっていた。
 その想いの全てを理解できたわけではなかった。
 徐々に記憶の流れがでたらめになり、話は飛び飛びに、なおかつ断片的になっていった。
 …………近い。
 俺の奥底に潜む冷静な俺が、そう判断していた。
 近いと、終わりが近い、と。
「………………ぃ…………」
 そして、冷静でない俺は……もう……


 終わろうとしてる。
 私の物語が、今、終わろうと……
『だから……今……幸せ……信君、叶えてくれた……』
「かおる!かおるっ!逝くな、逝かないでくれ、俺を置いて逝かないでくれ!!」
 もう、信君にいつものあの冷静さは、面影すら残ってはいなかった。
 ただ、私の名を呼んで喚いていた。
「かおる!かおるッ!かおる……!!」
 ただ、私にすがりつき抱きしめてくれていた。
 信君の上着が、袖が、ズボンが、髪が、手が、ぐんぐんと私の血色に染まってゆく。
 時折、信君を見上げる私の顔に、熱い雫が流れ落ちてくる。
 血色に汚れた信君の頬が、一筋、二筋、洗い流されてゆく。
『……願い……一つだけの、私の……』


「…………し…ん……」
「!!?」
 俺の胸に疾しる冷たい衝撃。
 心臓を鷲掴みにされたかのような圧迫感。
 背筋に走った悪寒が告げていた。
 かつての経験が、断言して止まなかった。
 消え逝く前の、これが最後の、命の焔だということを……
 のろのろと押し上げられてくる、かおるの折れ曲がった右手。
「…………ッ!?」
 伸ばすことも叶わない指先の代わりに、俺の頬に添えられた手の甲。
「し……ん……」
 そして、彼女は、最後の想いを俺へと託す
「……わかったよ、かおる」
 俺は、今まさに、その物語を終えようとしている彼女へ向けて、そっと上半身をかがめる。
 視界いっぱいに広がる、最愛の人。
 その顔は赤黒く染まり、憐れなほどに酷い顔だった。
『最後ぐらい、綺麗な顔でいたかったかな……』
「そうだな……」
『うん、そうだよ……私、これでも、初めてなんだよ?』
「俺だって……初めてだよ……」
『嬉しいよ……』
「俺もだよ……」
『やっぱり、綺麗な服着て、綺麗な顔で、ムードのある場所で、が良かったかな……』
「そうかもね……」
 会話はそこで終わった。
 二人の距離が、ゆっくり、ゆっくりと近づいてゆく。
 赤黒い別人のような顔に、いつものかおるの笑顔が浮かんで観えた。
 …………かおる……
 そして、重なる二人の唇。
 俺の想いが、かおるの想いが、二人の想いが……
 どれほどの愛しさが駆け巡ってゆくのだろう?
 どれほどの哀しさが駆け巡ってゆくのだろう?
 どうして俺達は、こんな結末を迎えねばならないのだろう?
 一つの問いにも、俺は答えられはしなかった。
 一つの問いにも、かおるは答えられはしなかった。
 ただ、俺達は、惜しんでいた。
 別れを……



迫りくる鋼鉄の弾丸
やってきた大波
また叶わなかった、私の想い

死地へと向かう最愛の人
やってきた終焉の刻
また叶わなかった、俺の想い

最愛の人の顔が豹変する
まるで、夢から覚めたように
そして彼は叶えてくれた
たった一つの私の願いを

最愛の人の顔が豹変する
まるで、夢が、願いが叶ったかのように
そして彼女は叫んでくれた
ただ一人の男を、俺の名を

運命の刻、信君は叶えてくれた
ささやか過ぎる私の願いを
彼は呼んでくれたのだ
『音羽さん』ではなく『かおる』と!!

運命の刻、俺は右手を伸ばした
ささやか過ぎる俺の願いを込めて
俺は望んでいたのだ
『かおる』ではなく『俺』を殺せと!!

『そして、最後に想った』

私の作る、砂の城
俺の作る、砂の城
『波に呑まれる、砂の城』

でも
最後に塔を作り上げられた!
城と一緒に、私も呑み込まれてしまうけど
それでも、旗まで立てられた

なんで
俺は作れなかったんだろう?
塔と一緒に、何もかもが呑み込まれてしまう
それでも、俺だけは置いて逝かれてしまう
愛する人だけが
消えていなくなってしまう
遥かなる、高みへと……



 どちらからともなく、そっと離された二人の唇。
 もう、二人の間に言葉はなかった。
 穏やかに、安らかに、幸せそうに、温かく微笑む少女。
 苦しげに、恨めしげに、哀しげに、寂しく微笑む少年。
 少女は、思う。
 最後に笑ってくれて、ありがとう。
 誰よりも優しいあなた、私はあなたのことが大好きになれて、本当に幸せだったよ……
 少年は、思う。
 最後まで、俺を責めてはくれないんだね、かおるは。
 かおるは、本当に残酷だよ。でも、それでも俺は、かおるのことが大好きなんだ。どうしようもなく、愛しているんだ……
 穏やかな春風が、むせ返るような血臭を、世界中に撒き散らしていた。
 夕日を浴びて暮れなずむ世界は、オレンジ色に燃えていた。
 その中にあって、この世界の中心は、黄金色に輝いていた。
 少年と少女を中心に、満月のように完全な円を描く、黄金色の海があった。
 世界の中心から、少女の呟きが零れ落ちた。

『さようなら……』

 少女の手の甲が、少年の頬を撫でるように滑り落ちる。
 力の抜けきった少女の体が、抱き締めていた少年の腕から滑り落ち、黄金の海へと吸い込まれてゆく。
――私は幸せだったから。最後は、幸せだったから……だから、お願い。あんまり自分を責めないで…………ね、信?
――……ごめん。それだけは無理だよ。かおる……
――……信、さようなら!大好き!!愛してる!!!
――かおるッ!!
 そして、小さく響く、軽やかな水音。
 少年を包み込もうとするかのように、黄金色に輝く飛沫が舞い踊った。
 キラキラ、キラキラと。
 黄金色に……
「………………………………」
 全身を黄金色に煌かせた少年が、静かに肩膝をついて黙祷を捧げる。
 黄金色の司祭が仕えし聖女は、司祭の足元で、安らかなる永遠の眠りについていた。
 母なる海のその中心で、聖女はたおやかに微笑み眠っていた。
 微かに宵闇の冷気を宿し始めた風に吹かれ、その短い髪が小さく揺れる。
 黙祷を終え、その瞳を開いた司祭が、祝福の祝詞をそっと告げた。
「かおる…………さようなら……」
 司祭の頬を伝い落ちる黄金色の欠片が、黄金色の海に波紋を起こしてゆく。
「……さようなら……」
 静かに、次々と、幾重にも……
「……さ…よ………なら………」
 天空の彼方を見据える、新たな十字架を背負った司祭。
 始まったのは、永く哀しすぎる、とある物語の第三幕。
 第二幕の終焉にして、新たなる悪夢、第三幕の創始の刻、高らかに響き渡るファンファーレ。
 紡がれしは、咎人の慟哭。
「かおるぅぅうぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅうぅぅっ!!!」




 ここは、この街で最も風の吹きぬける場所。
 この街で最も空に近い場所。
 その高台よりもさらなる遥かな高みから、純白の輝きが舞い降りた……

 とある墓石に寄りかかって、小さな寝息を立てる少女がいた。
 暖かくなってきているとはいえ、まだ冬の残り香が漂う春の夕暮れに、その行為は相当に無謀な物だった。
 だが、少女の幸せそうな寝顔の前に、そんなことは些事に過ぎなかった。
 純真無垢な寝顔の少女の前に、別の人影が立っていた。
 その人影は、そっと少女を抱き締め何事かを呟いた。
「う〜〜ん、唯笑、そんなに食べられないよ……」
 少女はその寝顔に相応しい、ひどく微笑ましい寝言を言う。
 だが、そのなんでもない一言に、人影は弾かれるように立ち上がり後ずさる。
 そして、顔を伏せ、肩を震わせ、何事かを一人呟き続けていた。
 それは見るに耐えない、切なすぎる光景だった。
「う〜〜〜ん……」
 その時、ようやく少女が目を覚ます。
 まだ眠そうな目を擦りながら、少女は人影に目を向ける。
「……………………?」
 少女は墓石と共に夕焼け色に染まったまま、その夕日の方をじっと見つめていた。
 そう、人影の存在を無視するかのように、茜色の陽光はその空間を透過し、少女と墓石を夕暮れの世界へといざなっていた。
 肩を震わせるのを止めた人影は、ただ沈黙していた。
 どこかその姿からは、寂寥感が感じられて仕方が無かった。
「ぅにゃ〜〜〜?」
 不意に近場の藪から現れた子猫が、『どうしたの?』とでも言わんばかりのイントネーションの鳴き声を上げ、そして誰もいないはずの宙空を見上げて小首を傾げる。
「あ、彩……ちゃん…?」
 少女がポツリと呟いた。
 わずかに春の大気が揺らいだような気がした。
「彩ちゃん?彩ちゃん……そこにいるの!?」
 戸惑いの色と共に、少女が人影に歩み寄る。
 人影の口許が何度か動いた。
 だが、それが空気を振動させることはなかった。
 やがてピクリとも動いていないはずの人影の姿が、太陽に吸い込まれるかのように後方へと流れ去ってゆく。
 どうしてその動きに、少女は気づくことができたのだろう?
 少女は、『待って、彩ちゃん』と叫んで夕日に向かって、いや、人影に向かって走り始めた。
 少女と人影の間の距離が、少しずつ、本当に少しずつだが縮み始める。
 そして……
「彩ちゃん!!!」
 少女の声と共に、その手が人影の肩を捉えることはなかった。
 確かに届いたはずの少女の手は、虚しく空を切っただけだった。
 そしてそのまま少女は前のめりに倒れ込んだ。
 だが、少女の身体が地面に打ち付けられることはなかった。
 少女の身体を受け止めるようにそこにあったのは、澄空の街並みを一望できる展望台の手すりだった。
 少女が再び夕日の中に人影を探し求めた時、すでにそこには何も存在してはいなかった。
 まるで、何もかもが、夢であったかのように……
 人影の代わりに少女の瞳に映ったのは、夕日に良く映えて燃え上がる澄空の街並みだった。
 そのオレンジ色の世界の中で、少女は確かに観た。
 何かがキラリと輝いたのを。
 何かが一瞬、黄金色に煌いたのを……
 次の瞬間、少女は気がついていた。
 自分が頬全体を濡らしてしまうほど、涙を止め処なく溢れさせていることを。
 何かが、心の琴線に触れて止まないことを。
 起こってはいけない何かが、起こってしまっていることを……
「彩ちゃん……智ちゃん……どうして……どうしてなの?」
 少女のすすり泣く声が、風に流されてゆく。
「唯笑……何だかとっても哀しいよ……涙が、止まらないよ……」
 とても大切な何かを失ってしまったかのような少女は、既に失ってしまった大切な存在に救いを求めていた。
「唯笑……唯だ、笑っていられないよ……うぅっ……うわぁ〜〜〜ん……」
 ヒト、脆く弱いその生き物の奏でる旋律は、ただ痛ましかった。




 黄金色の海、刹那世界の中心となったこの場所で、この日、この刻、新たな天使が生まれ落ちた。
 黄金色の衣をその身に纏った、どこまでも運命に呪縛された少年が見守るその中で。
 黄金色の翼を背負いしその天使が、遥かなる高みへと昇って往く。
 煌く翼を羽ばたかせ、天使の昇り往くその夕焼けの先には、純白の輝きと、真紅の輝きが儚げに明滅していた。
 空を彩る幻想的なその光景は、どこまでも美しく、そして果てしなく哀しかった。
 少年の初めてのキスは、








 血の味がした……




>>十九章へ



あとがき

 はい、皆様こんにちは。コスモスです。ここにナイトメア十八章「黄金色の海」をお届けしました〜〜言うまでも無いことですが、本章は、ナイトメアにとって大きすぎるターニングポイントです。とうとう逝ってしまったかおる。またも守れなった信。少なくとも新たな翼の一枚を失ってしまった唯笑は?自分を責め始めた詩音は?何気に出番の増えつつあるみなもは?そして、謎の少女の正体は?あ、あと、小夜美さんの扱いどうしよう?(爆)
 さて、前章の十七章と本章十八章は元々一つの章だったのが、文量の都合上分章することと相成ったわけですが、この辺の繋がりみたいなものは上手くいってるんでしょうかね〜〜(実は当初は十六章も一つの章のはずだったことはヒ・ミ・ツ♪)この辺も作者的には気になるところですね。
 前回といい今回といい、ここはこれまでの色々な伏線やら、この表現は絶対に使うんだ!!っていうのが非常に多かったせいで、本当に難しかったです。右にも左にも身動きが出来ないといった感じでした。とりあえず、次章からは、逆に伏線をまたセットするのがメインになるわけですから、とりあえずしばらくはフリーハンドで伸び伸びと書くことが出来そうで楽しみです♪前章と同様、場面が場面だけに、それなりには盛り上がらせることは出来たような気もしますが、ただこうしなければならないという制約だらけだった都合上、どうにも小手先技に頼り気味で同じ山場の三・九章等と比較すると、グッと来るものに欠けているのではないかな?と、危惧していたりします。ま、まだまだ駆け出しですから♪ということで……(^^;
それでは、次は第十九章でお会いしましょう!!って、なんかいつの間にかあと二章で二十章!?いやいや、塵も積もればって……ねぇ?では、また!!(^o^/~~~~~


Presented by コスモス  deepautumncherry@excite.co.jp <mailto:deepautumncherry@excite.co.jp>



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