『マチョフィニティ』   
作:マイキー

合宿一日目

<読む前に>
<以前読んだ方へ>
この度はマチョフィニティを改正してみました。
これで誤字脱字はなくなり、読みやすくなったと思います。
あと誠君の心理描写と展開が微妙(?)に変更したため、
(特に一日目が大きく変更)
さらにパワーアップし、一回読んだ方もまた楽しめるはずです。
 
<初めて読む方へ>
正直このSS、正統派ファンの方には喧嘩売っています。
その理由はあまりに異色な設定にあります。
なんと主人公・石原誠はある事が原因で筋トレをこよなく愛する男に変貌!
つまりマッチョに目覚めてしまいます。
その誠の影響か、各ヒロインにも変更点があります。
つまり彼女たちの誠への反応による変更点です。
全体的に個性がより強くなっているといえるでしょう。(恐らく)
そんな誠(マッチョ誠)を中心に繰り広げられる一味違った黒くブラックなN7ワールド。
そんなものに少しでも興味がある方にはオススメします。
正統派にかたくなにこだわらない方ならば是非読んでもらいたいです。
しかしこのSSに大きなショックを受けても、
私は一切責任を負いませんのでそこらへんはご了承を・・・・。
ハマった方は大爆笑、ハマらない方はただの危険なSS・・・・・。
評価は両極端になることでしょう。
さてあなたはこのSSをどう感じるでしょうか?
 
 
 
麗らかな春の暖かな日差し、広大な青い海、
無限に広がる壮大な空が広がる世界・・・・・・・・そんな場所に俺はいた。
ここはいつか訪れた事のある絶海の孤島・・・・・・・・。
あの時のゼミ合宿から一年たった今、俺は三度、合宿のためこの島に来ていた。
あれから一年になるのか・・・・・・・。
・・・・・・フゥ・・・・まあシリアスモードはここまでにしておこう。
とにかく俺は去年のプレゼミが終わった後、
渡米し、向こうで一年ミッチリとトレーニングをしてきたのだ。
何故って?・・・それはおいおい分かるだろう。
というわけで皆に会うのは1年ぶりだ。
まあ、この神々しい肉体を見たら皆、俺の魅力(肉体)に見とれ、俺を慕うだろう。
究極の肉体を手にした俺に死角はない!
クックック・・・・と思っているうちに俺はドアの正面まで来ていた。
 
誠「ここは普通に入るのもなんだし、少し驚かしてやるか」
 
俺は去年の約4倍になった腕っぷしに力を込め
鉄塊と化した最強の凶器を音速の速さでくり出した。
 
バガアァァァァァーン!!
 
暴力的な音と共にドアは木っ端微塵に砕けた。
その圧倒的破壊力に我ながら清々しさを覚えてしまう。
 
優「な、なになに!」
誠「やあ、みんな、久しぶりだな。
俺は男の美追求ムキムキマッスル推進委員会アブマッスル所属の石・・」
 
といっている途中で億彦は携帯を持ち・・・・。
 
億「もしもし警察ですか?ロッジにムキムキの変態マッチョ野郎が
出没、至急来てください」
 
・・・・・・・・・・・・・そうか変態が現れたのか。
なにぶんこの世の中も物騒かつ奇特になったものだ。
ん・・・・ムキムキの変態マッチョ野郎・・・・。
辺りを見渡すがそんな人間は存在しない。
俺はその事からある一つの可能性を見出そうとしていた。
・・・・・まさか・・・・・・・・・・この俺の事なのか!?
 
遙「・・・あ・・」
億「遙ちゃん、近づいちゃいけない!奴は得体の知れない変態馬鹿だ」
 
何!!・・・・いきなり変態馬鹿だと。おのれ〜!
はっ・・・いかん、いかん!大人気ない・・・・ここはダンディに・・・・・。
と考えているうちに何故か警察が来ているではないか。
早い・・・・早すぎる・・・・・・・・・!
その突然の事態に俺はうろたえずにはいられなかった。
 
誠「何故、こんなに早いんだ、おかしくないか!」
敬1「貴様だな。ムキムキの変態マッチョとは!」
敬2「貴様を逮捕する。さぁ署に行こうか」
誠「ちょっと待て!何故、こんなに来んのが早いんだ・・・・30秒も経ってないぞ!」
優「まあSSの世界は多少無理があってもいいものなのよ」
  「こういう設定なんだから、仕方がないでしょう」
 
設定・・・・・その言葉に俺は疑問を感じた。
・・・・・まさか、これは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・仕組まれたことなのか!
では、これは作者の陰謀なのか・・・・・・・・。
うむ、そうだ。俺をSSの一キャラにすぎないことを理由にこのようなことを・・・・!
だが俺は三次元的存在で作者は四次元的存在・・・・・干渉不能!?
なんてこった!しかし俺はあきらめない。
ここであきらめたらマッチョの失格だ!
 
誠「おい、なんていい加減な理由なんだ」
  「だいたい俺の力ならこんな状況・・・・・・何!?力が入らん!何故だ!」
優「だからこういう設定だからよ」
 
なんてこった・・・・・ここまで作者の魔の手が伸びていたとは!
この状況の中では俺はマリオネットの如き、操り人形にすぎない。
洗練された美徳な筋肉も今では「無駄な肉鉄塊」にすぎないのだ・・・・・。
 
遙「・・・ねぇ誠でしょう」
 
今まで静観していた遙が声を上げた。
そうか・・・そういう設定なのだな、作者め・・・・。
クックック・・・・姑息な手段を!
 
億「誠ってアノ?」
  「だけど奴は変態だが、あんなムキムキマッチョではないよ」
遙「私、1週間前まで誠と一緒にアメリカに行っていたから・・・・・」
優「そういえば去年の合宿が終わってから一緒に渡米するとかいっていたような・・・」
遙「そこで誠は筋肉、鍛えてたんだよ。ついでに私はマネージャーしていた」
億「すいません。どうやら知人のようです」
 
なるほどな、こういう設定だったわけだ。
主人公がこんなところで投獄されては話が始まらんだろう。
つまり俺が助かるのも設定というわけだ、なあ優夏。
何?脱獄の話も可能と・・・・・・・・・・・・・・・・。
君は無実の俺を犯罪者にしたいのか!!
 
敬1「後でドア代、弁償ね」
誠「・・・・・・・」
 
こうして俺はようやく解放されたのだった。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それから落ち着きを取り戻した俺たちはロッジのリビングにいる。
 
 億「しかし石原。なぜこんな醜いムキムキマッチョ野朗になったんだ」
 
ムカッ・・・・・こいつ、いきなりこんなセリフを吐くとは・・・・。
この黒く神々しい光(日焼けした上にオイル塗ってるだけ)
を放つ宝石のごとき美しい筋肉を醜いだとぉ・・・・。
チッ・・・これだからボンボンの坊やは・・・・。
俺は低俗な愚民を見る目で坊やを見下してやった。
 
誠「心外だな、坊や。この男の肉体美がわからんとは、
やはり貴様はボンボンの坊やという証拠だ。なあ優夏」
優「いや・・・私にもさっぱり分からないんだけど・・・」
億「フッ・・・・ほらね」
 
髪をなびかせながら、キザにかつ得意げに言う坊や。
その坊やの発言とポーズに俺の怒りのリミッターは暴力的な効果音と共に砕けた。
このボンボン坊やがぁぁぁーー!!
それが今の俺の内心だ。しかしこれを表に出さない特訓も俺はしてきたのだ。
「心・筋・体」が揃ってこそ、一流のマッスラーになれるものなのだ。
 
誠「・・・所詮は酔っ払いか・・・」(ポソッ・・)
 
俺は消え行くような声で皮肉を大いに込め、優夏を卑下することにした。
しかし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「ブチッ」・・・・・・。
何かが切れる音が聞こえた。
・・・・・・・・・・・・底知れぬ嫌な予感がする。
 
優「なんですってぇぇ!ムキムキマッチョの分際で偉そうにぃぃぃ!」
 
ドスゥゥゥゥゥ〜!!
 
まさに無く流れるような動き・・・・・・・・
なはずの無い優夏のエルボーが俺のわき腹に直撃した。
動きは完璧に見えていた、怒りに任せているだけで、無駄は果てしなくあった。
しかし俺は動けずにその素人的な一撃を喰らってしまった。
まさか・・・・・これも設定の範囲内!?
 
誠「グフウゥゥゥゥゥ・・・・・」
優「遙もこの馬鹿になんかいってよ!」
遙「うん」
 「誠、その肉体・・・・・・・・・・・・・・・・・・すごくかっこよくて素敵だよ!」
優・億「ナニイイィィィィィー!!!」
 
驚愕する愚かなる愚民たち・・・・しかしこれは俺の計算内だ。
だいたい今まで向こうでトレーニングを付き合ってくれていた遙が
この俺のことを卑下する訳なかろう・・・・・トンボ並みの知能だな。
しかし奴らの暴走はまだ続いているようだ。
 
億「遙ちゃん、言ってるんだい!ハッ・・・・・まさか洗脳!」
優「見た目はムキムキの変態、中身は筋肉馬鹿でズル賢い・・・・・最低〜」
 
低俗なる愚民共は相手のことを侮辱する事が好きなようだ。
こいつらのこの発言を「私は愚民です」というふうに
自己主張しているものと俺は捉えることにした。
このような考えしか出来ない愚民二人を俺は少し哀れに感じた。
 
遙「ううん、誠は向こうで筋肉付けようと、いつもがんばってトレーニングしていたから
ここまでになれたんだよ。これは努力の賜物だよ」
 
さすがは遙、過程を誰よりも知っているからでもあるが
あの愚民共とは一味も二味も違う。これは明らかに精神的レベルの差だろう。
その様子にさすがの下賊な二人も事の次第が分かってきたようだ。
 
億「そうだったのか・・・」
優「なんか悪いこといったかもね」
誠「クックック・・・・わかったか」
誠「この強靭な肉体が日々のたゆまぬ努力によってできたものだということを・・・・・」
 「ごめんなさいはどうしたぁぁ!この愚民共が!!」
 
「ブチッ」・・・・・・・。
数分前、聞いたことのある不吉な音・・・・・・。
考えるまでも無い、これは・・・これは・・・・まさか!!
 
億・優「調子に乗るなぁぁぁー!!」
 
ダブルコンボだった・・・・・・。
やはり、例の如く俺はその二人の緩慢な動きに対処できなかった。
それどころかそのコンボにより意識が徐々に薄れていく。
トレーニングのための見回りをしなければいけないというのに・・・・。
というか何故、俺こんなに打たれ弱いんだ!
薄れ行く意識の中、優夏の「設定だからよ」の声が聞こえた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 
一時間後、俺は重い瞼を開け、目を覚ました。
話により俺たちは昼食をルナビーチに食べに行くことになったようだ。
いづみさんたちには会うつもりだったから調度いい。
そして今、俺は着替え中である。
この俺の神々しい強靭な肉体の締まり具合と男の肉体美を
過疎化が進んだこの島の市民に見せ、感動と勇気と希望を与えたいがためだ。
というわけで俺は迷わず露出度がすこぶる高いビキニを選んだ。
そう、俺はこの島の住民の未来までを考えてまでいるのだ。
クックック・・・・これで俺はこの島の英雄、間違いなしだな。
 
誠「やあ待たせたな。遙とその他二名」
億「誰がその他二名だぁぁぁ!」
 
蚊がとまるほどのパンチ、以前のような呪いはもはや無い。
俺は坊やの一撃をアッサリとかわし、臨戦態勢をとった。
パンチとはこういう風にしてやるのだ!身をもって味うがいい、坊や!
 
誠「腰の回転を使い、えぐり込む様に!!」
 
ズウゥゥブアアァァァドスウウゥゥゥーーー!!!
 
坊やの内臓が脅威的な力に圧迫される。
とてもいい音がした・・・・・・・。
黒き鉄塊と化した俺の拳が哀れな坊やを射抜いたのだった。
しかも腰の回転の反動により威力は3倍増だ。
 
億「10×8乗でもぉぉぉ・・・・グフッ・・・・・次回、マッチョ星人によりオックマン絶命か?
・・・・シャラーン、謝々・・・・・グフゥゥゥゥゥ・・・・いけない・・・レィディジェニィ・・・・・
僕たちは・・・・ハウウゥゥゥゥゥゥ!」
 
訳のわからないことを永遠に言い続けそうだったからトドメを刺してみた。
奴は泡を吐き倒れた・・・・さよなら、訳のわからん哀れな坊や。
末路は決まっていたのさ・・・・・・。
優夏も俺の力に恐れをなして・・・・・・ない!
どうやらヤツの神経は良いのやら悪いのやらよくわからんがイカれているようだ。
 
優「こんな格好で出たら、変態丸出しでしょう!着替えなさい!」
遙「でも私、この姿の誠すごく好きだよ」
 
突如、遙が俺に「ピトッ♪」と抱きついてきた。
初めてこのシリーズを読む方は本編の遙を連想して驚かないで欲しい。
このシリーズの遙は無類のマチョ好きなのだ。
皆様の感想は「なんてこった・・・」「もしくは遙を壊すな!」かな?
だがそれが事実というものなのだ。
だいたい向こうで一日、何十回抱きつかれたことか!
失望した方はすまない、許してもらいたい。
 
遙「ハァ・・・・気持ちいいなぁ〜、水面に浮いてるみたい・・・・」
誠「こらこら遙、気持ちは分かるが飯を食いにいかんとな」
優「・・・遙が壊れた・・・ううぅ・・・・」
誠「おいなんだその「ううぅ・・・・」は?」
優「どうでもいいでしょう!さっさと着替えてきてよ!
  一緒に行動するこっちの身にもなってよ!!」
遙「私はいいんだけど」
優「私が困るの!!」
誠「実は・・・・普通のやつが無いんだ・・・・」
優「・・・・・」
 
パキッ・・・・ポキッ・・・・・。
無言で手の関節をならす優夏。
俺の筋肉本能が明らかに危険を察知している。
このままでは不味い!
仕方がなく俺は優夏に従うことにした。
 
誠「ハイ、ワカリマシタ、スイマセン」
優「よろしい」
 
すばやく着替え、
俺はジーパンにアブマッスル特有のTシャツを着て降りてきた。
 
優「なっ!ピチピチじゃないの!!」
誠「いや・・・・・このサイズが限界なんだ・・・というのは嘘で意図的だ」
遙「だけどセンスいいね、誠、すごく似合ってるよ」
誠「ハッハッハッハ!そうか?」
優「というか胸にマッチョの柄があってさらに筋肉愛好会ってアホじゃないの!」
誠「ジャケットとかはサイズが合わなくて・・・・」
優「聞いてないし・・・・」
遙「億彦が転がってるよ」
誠「仕方ないオブってやるか」
優「・・・・・・」
 
こうして俺たちはルナビーチに向かうことになった。
 
(億彦視点に変更)
 
どういうことだろう、このゴツゴツした岩場で寝ているような感覚は・・・・・。
・・・・・・ううぅっ・・・・・なんか生ヌルいエキスが・・・・・揺れる・・・揺れる・・・・・痛い・・・。
助けてくれ、レイディジェニィ・・・・NTドリンクを・・・・・ううぅ・・・エネルギーが・・・・。
Noォォォォーーーー!!!!
 
億「ギョエエエェェェェェェーーーー!!」
誠「うるさいぞ、けたたましい声を上げるな」
 
億「ハッ・・・石原。なんで僕を背負ってるんだ。僕はそんな変態趣味は無いぞ!!」
誠「お前が倒れてたから、親切に背負ってやったんだろうが」
 
この高貴ある僕を倒したのは醜い肉の塊を手に入れた君だろう。
石原・・・・・嫌な奴だと思っていたけどここまで落ちぶれてしまうなんて・・・・。
とにかく僕は今の不満をこのマッチョ星人・石原誠にぶつける事にした。
 
億「汗が生ぬるく、気持ち悪いわ、肉塊が鉄のように硬いわ、
  背中はボコボコしてるわ最低だ!」
億「だいたい僕の自宅のベッドはもっと品があって謝謝な感じなんだ!」
誠「じゃあ降りろ」
 
そのとき、僕の世界は逆転した。
まるでアクロバットをしているような、あるいは波に連れ去られる感覚。
そして僕の体に激痛が走った。
 
億「グワッ!!・・・なんて奴だ。人を物のように!」
誠「じゃあ後は一人で走れよ」
億「What?なに?走る?」
 
その時、一人自転車に乗っている遙ちゃんが来た。
 
遙「誠、億彦、なにやってんの?さっ、後1・5キロだよ」
誠「わかってる。だけどこいつが急に暴れてな」
遙「じゃあ億彦もここから走ってね」
 
さらりと意味不明な事を言う遙ちゃん。
僕はなにが何なのやらサッパリだった。
現状が理解できない・・・・・。
 
億[What?え、なんで?」
遙「トレーニング中」
億「なにいぃぃぃぃぃ!!なにゆえ!?」
誠「いつものことさ」
億「何で僕がお前のいつもに付き合わないといけないんだ!」
誠「俺は両手両足に10キロの重りをつけてるんだぞ!」
 「貴様などそれに比べりゃ軽い!」
 
どうやらこの一年で石原の中にある自我が崩れ去り、
新たな異常な自我を獲得したようだ。
だいたい、こいつは何者なんだ・・・・・一年でこんなに変わるものか?
とにかく・・・・僕をお前のような筋肉馬鹿と比較して欲しくない・・・・・。
 
遙「残り3分45秒でね」
誠「うむ、わかった。ウオオォォォォォーー!!」
 
奴はとても40キロの重り背負ってるとは思えないスピードで
走っていった・・・・もつのか、アノ速度で・・・・。
しかもさっきまでは僕を背負って走っていたのだから、100キロ以上!!?
驚愕の数字に僕の背筋は真っ白な気分だ。
・・・・・これ以上は考えないどこう。
ただ1ついえることは奴が人外だということだろう。
 
遙「億彦は4分20秒ね」
 
真っ白い気分に浸っている僕を尻目に遙ちゃんは
過酷な現実を突きつける言葉をさらりといってきた。
遙ちゃんは石原に日々、毒され、ここまでになってしまったんだ。
 
億「早くない・・・・」
遙「そうかな?こんなもんだって、さ、早く行って」
億「遙ちゃん、僕のような哀れな男を哀れむ気持ちはないのかい?」
遙「・・・・・・」
 

フッ・・・・効いた。
例え遙ちゃんでもこの弱々しくカッコイイ男の救いを求める眼差しには勝てまい!
フッフッフ・・・勝った!僕は勝利を確信していた。
毒を取るには解毒剤が必要だ。
そしてその解毒剤の注入には成功した。
穢れた君を僕が純粋に戻してあげるさ!
 
遙「うん」
億「じゃあ、ゆっくり話しながら行こうか」
 
石原によって毒された遙ちゃんもこれで僕の手中だ!
ここから彼女の毒を抜き、心をつかむためにも15分以上かけて口説く!
僕の心はもはや有頂天に浸っていた。
爽やかな日差しを受け、初々しく生まれ変わりつつある
僕たちはゆっくり歩き始めたが・・・・
 
遙「なに歩いてんの」
億「えっ・・・さっき「うん」っていったじゃないか」
遙「ハァ・・・アレは私には億彦を哀れむ心は無いってこと」
 
ガシャ−ン・・・・・・!
まさにガラスのコップが落ちて割れるかのような音が僕の心で鳴り響いた。
そして静寂・・・・・・・・・・・辺りは水を打ったような静けさだ。
正気に戻るには時間がかかりそうだ。
 
5秒後・・・・・・・・・・思考が可能な状態になってきた。
そ、そんな・・・・・・・冷たい、冷たすぎる・・・・!
以前も素っ気無かったがここまでだっただろうか?
いや!・・・・・ここまで酷くはなかった!
昔の遙ちゃんは純粋だった!けど今は・・・・穢れている・・・・!
奴に毒されたせいに違いない。
・・・・・なんてことだ。
ここまで石原の毒が浸透し・・・・・魔の手が伸びていたとは!
けど・・・・・まだやれる!
 
億「ちょっと待った」
遙「なに?」
億「遙ちゃん、僕は君が好きなんだ。この限りない愛を伝える男をどう思う?」
遙「なんとも思わない」
億「!!!!!」
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。(思考不能)
 
億「遙ちゃん・・・・・・君は僕への好意なんて全然無いんだね・・・・」
遙「うん、全く」
 
!!!!!!!!!!!!!!!!!!(一風の風が吹く)
 
遙「会った時から今日まで一度も無い」
 「もちろん今後もね」
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
僕の思考は停止していた・・・ポッカリと穴が開いた気分さ。
HAHAHAHAHAHAHAHA・・・・・どうせ石原みたいなムキムキマッチョがいいのさ。
どうせ奴の筋肉話に目を輝かせているのさ。
奴の筋肉の躍動を見て、ウットリしているのさ。
チクショウ!どうせ僕は軟弱な坊やでそんな事できないさ!
 
遙「ハァ・・・億彦って卑怯だね」
 「放心状態になってサボろうとするんだ」
 
なにっ!
 
億「分かったよ、遙ちゃん、行くさ!」
  「僕の魂の走りを見てくれぇぇぇ!!」
 
僕は走った。走って走って、肉離れを起こした・・・・。
 
誠「情けない奴だな。しかも6分半もかかっているし、
挙句の果てにはケツ割れか・・・・仕方ない、この合宿で精魂鍛え直してやろう」
 
その後、ようやく優夏ちゃんが来たようだ
しかし自転車に乗ってる!!ズ,ズルい・・・・。
もはや僕の肉体は自由を失っていた。
 
(誠視点に原点回帰)
 
誠「おい・・・」
優「もう誠!汗かいたじゃないの!しかも筋肉痛にもなったし!」
誠「貴様、なにこんなもん使っとるんだ・・・・・遙はどうした?」
優「遙が貸してくれたの。誠とは違って優しいね〜」
誠「貴様、遙の弱みを握ってはいないだろうな?」
優「握ってないわよ!そんなのだいたい誠・・・・・!」
 
と不毛な言い争いが15分ほど続いた後、
遙がてくてくと歩いてきた。
 
誠「遙、優夏を甘やかしてはいかんぞ。調子に乗る」
遙「ホントにきつそうに乗らしてっていうから・・・・・」
優「電動自転車だったから坂も楽だったよ」
  「誠、私にもよこしなさい」
誠「断る。マネージャー専用だからな」
 「かつ俺のマネージャーは一人限定だ」
優「チッ・・うまく口実付けて利用しようと思っていたのに・・・・・」(ポソッ)
誠「なんかいったか?」
優「ううん、なにも」
 「なんかいい手無いかなぁ・・・・・」(ポソッ・・・)
億「誰か・・・手を・・・」
 
どうやら俺たちはすっかり億彦の存在を忘れていたようだ。
そう、まるで道ばたに歩いている時、アリを踏んでも気付かないかのように・・・・・。
 
遙「仕方ないなぁ・・・・ハイ」
 
チッ・・・甘いぞ、遙。
それではトレーニングにならん。
と思いながらも俺たちは目的地へと向かった。
 
俺たちがルナビーチに入ると何故か食事が整っていた。
しかもそれはプロテインが大量に含まれた鶏肉に
マッチョなら誰しも欲しがるマチョビタX、卵多量のご飯に
ドデカい皿に多量の野菜があった。
 
その時、前方からナイフが2本飛んできた!
ビシビシッ・・・・・
俺はとっさに受け止めた。
さらに前方から手裏剣が何故か、跳んで来た!
だが俺は動じない。絶対的な筋肉への自信があるからだ。
俺は鍛えぬいた筋肉の鎧にてガードした。
持つべきものはやはり強固な筋肉だな。
クックック・・・・我が筋肉の前に敵はなし!!
 
い「見事ね、誠くん。よく鍛えてるじゃないの〜」
誠「奇襲とは卑怯ですね。しかし俺の筋肉の前では朝飯前ですよ。」
誠「クックック・・・・」
い「フフフ、大きく出たわね〜。まあ誠くんを試すつもりでやったから
 そうでなくちゃ面白くないんだけどね。予想以上だったわ」
い「手裏剣もはじいたしね」
 
誠「そうそう、この手裏剣はいったい・・・・・・」
く「ふっふっふ!お兄ちゃん見事なりぃー」
誠「くるみ・・・・・お前か。だがこんなもん、どうやって手に入れたんだ?」
く「手に入れたも、なにも自分で作ったんだよ」
誠「なぬ?」
く「折り紙でね」
誠「なるほど、しかしそのわりには少〜し痛かったぞ」
く「お姉ちゃんに投げ方を教わってそれをくるみ式にアレンジしたんだよ」
 「名づけて・・・・・!!」
 
俺は危険をいち早く察知した。これはくるみお得意の「くるみ的説明」だ。
それに気づいた俺は止めることにした永遠に続くと思ったから・・・・。
 
誠「さて飯を食うか、いづみさん、今日来ることがわかっていたから
 料理を作っててくれたんですか?」
い「ええ、そうよ」
く「ブゥ・・・・だけどただの折り紙じゃなくて先端に良く切れるもの付けてたんだよ」
 
そうだったのか。なるほどな、つまり俺の筋肉には刃物も無効というわけだ。
クックックック・・・・・銃弾が効かなくなる日も遠くあるまいて!
俺は改めて確信した。やはり筋肉以上に強靭かつ美徳で信頼できるものはないと!
 
く「だけどお兄ちゃんの筋肉、黒き神々しい光をまとってるいるは、
 メチャクチャムキムキで腹筋も8つにクッキリと割れているは、
とにかくカッコイイねぇ〜」
い「ああ〜、私が思っていたことを!くるみ、やるわね」
 「だけどなんか気持ちよさそうね・・・・えいっ♪」
 
朝の遙の如くいづみさんが「ピトッ♪」とくっついてくる。
 
く「ああ〜、くるみもくるみも〜」
 
何故かくるみも来る。
 
遙「ああっ!ずるい、私もしたい」
 
やはり姉妹だからか?
3人ともピトピト触ってくる。
ハタから見れば奇怪な光景だろう。
しかし気にするほどの事でもない。
この俺の美しさと強靭さを兼ね備えた漆黒に輝く筋肉はやはり大人気ということだ。
クックック・・・・・。
 
誠「さあ、俺の美しい筋肉に見とれ、好きなだけ触るがいい!
 俺はいつでも君達の快楽の地だ!!」
 
案の定、億彦と優夏は固まっていた。
もはや悪い夢でも見ているような呆然とした表情をしている。
フッ・・・未熟者共め。
だから貴様らはレベルが低いのだ。
 
優「・・・・・・」
億「・・・・あのそろそろ夕食に・・・」
い「あら・・・そうね。私としたことがつい・・・(?)」
?「ちょっとなに、この汚らわしい光景は!」
 
突然、入り口の方に聞こえた汚らわしい声の方向に振り返ってみれば、
そこには沙紀が立っていた。一年たっても毒舌は絶好調のようだ。
誠「よう、久しぶりだな、沙紀」
沙「誰、あなた?汚らわしいテカテカした手で私に触らないでよ」
 
さすがにかなりムカついたが沙紀は俺が究極の美を極めたことを知らないのだった。・・・・しかしなんだ、このくそ生意気な口調は!以前より遥かにひどくなってないか!どうやら毒舌はさらにレベルアップしているようだ。
俺は奴にも精神的教育が必要とみた。
 
誠「チッ・・・・この男の究極の美を極めし、肉体の美しさがわからんとはな」
 
沙「なに訳のわからないことを言っているの?」
沙「自然の美しさの前では・・・・・・」
沙「あなたはただケバケバしく、・オイル臭く、汚く、醜いだけの肉の塊よ。・・・・・・・・・・いや自然と比べる時点で失礼ね」
 
沙紀の口から次々と出てくるタチの悪い言葉の数々。
それは以前とは比べ物にならないほどだった。これでは優夏や億彦が可愛く見える。
誠「・・・これだからお嬢様は・・・・」(ポソッ・・・)
沙「何ですって!ムキムキの醜い変態マッチョの分際で高貴で品のある私にそんな口が聞けると思っているの!!」
 
その言葉に今まで我慢してきた俺の怒りは爆発した。筋肉への侮辱は万死に値する。俺は奴をこの世から葬り去ることを硬く心に誓い、我が最強の殺傷物に神経を注ぐ。
 
誠「フオオオォォォォォォーー!!!」(理性不能状態)
 
俺が着ていたTシャツは筋肉の硬さと圧迫に耐え切れずにはち切れた。
至上超絶マッチョ石原誠の拳が唸りをあげ、光速の速度の黒く強靭な肉鉄塊が男の美を彷彿とさせながらクソ生意気なお嬢様を捻り潰すのだ!
 
沙「ちょ・・!」
 
ガアアアァァァァァァンンン!!!
 
俺の右腕は奴の顔面を粉砕している・・・・・・・・・・はずだった。
しかし間に入ったいづみさんにより俺の完全無比であるはずの
攻撃は止められていたのだった。
・・・・・・・・・・・この人は人間か!!
 
い「そこまでよ!全く、二人とも大人気がないわ。
そんな不毛な争いをしても何の得にもならないのよ!」
 
いづみさんの恐怖に驚愕を覚えつつ、俺は反省する・・・・・・・フリをした。
何故、気高く強靭な肉体美を侮辱された俺が反省しなければならないのだ。
嫌なこった!・・・・・それが俺のドス黒い考えだった。
一方、沙紀は素直に反省してるように・・・・見えないな。
相変わらずクソ生意気な表情をしている。
 
い「そして何よりも・・・・・・・・・」
沙「私がいいって言うまで話さないで!」
 
出た・・・・沙紀の必殺死語だ。
その言葉にいづみさんは下を向き固まっている。
その表情からは何も読み取れない。
 
沙「フッ・・・・・」
 
勝利を確信し、生意気な微笑をするお嬢様。
沙紀、やりすぎじゃないか・・・・・・・・・と思ったその時だった!
俺の背筋は凍りつくような狂悪でドス黒すぎる殺気を感じた!
その殺気はいづみさんからだ・・・・・・。
 
い「ウフフフフ♪」
 
満面の笑みだ・・・・・だが目は笑ってない!
だがそれは常人にはわからない程、わかりづらい。
ハタから見れば自然な満面の笑みだろう。
しかしその裏には異常なまでの狂気と殺意を感じる!
これはやばい・・・・やばすぎますよ、いづみさん!
だが鈍感なのか、そうでないのか、沙紀はそれに気づいていない。
ああ・・・・このままでは沙紀がいづみさんに殺される〜。
どうやら危険を察知したのは俺だけではない。くるみと遙も察知しているようだ。
だが遙は知らん顔・・・・・・。
それを見かねたくるみが飛び出す。
 
く「沙紀さん、この最高にかっこいいマッチョな人はね。お兄ちゃんなんだよ!」
 
言葉からは限りない焦燥感が漂う。
明らかに焦っているといえるだろう。
つまりそれほど今のいづみさんはやばいのだ!
 
沙「な、くるみちゃん!お兄さんがいたの!?
しかもそれがこんな醜い変態マッチョだなんてくるみちゃん・・・・
おかしくなっちゃったのね」
 
頭にきたがそれどころではない。このままでは沙紀が・・・・!
ん・・・・・・・何で俺はこんなに慌てているんだ。
簡単な話じゃないか。
俺の漆黒の魂が驚異的に黒い光を放ち始める。
つまりだ・・・・・・・・・このまま・・・・・。
しかし俺のその計画はもはや実行できそうにない。
沙紀の相手をしながらもくるみはいづみさんをアイコンタクトで説得したようだからだ。
これは驚異的技ではないだろうか。
 
く(だからね・・・・・・・・・お願い、お姉ちゃん)
い(仕方ないわね〜)
く(ありがとう、お姉ちゃん)
 
く「くるみは別におかしくなってないんだけど・・・・・・・
だけどこの魅力に気付かないなんて、沙紀さんの方がおかしいよ」
沙「大丈夫よ・・・・・今度、有名な医者に見て貰えるよう、頼んどくから」
 
結局、最後まで気が付かなかった沙紀。
気が付かなくても無理はないが、レベルが低すぎるぞ!
 
く「・・・・・・・・・・」(・・・・フゥ、危なかったぁ〜)
遙「この人は誠だよ、沙紀」(・・・・・・・・・・かったな〜・・・・)←好きな言葉をどうぞ
沙「なっ!誠くん!?どうしてこんな汚らわしい
ムキムキ変態一直線な方向に手を染めたの!」
 
・・・・・・さすがの俺もその右腕に力を圧縮しようとしていた。
ならばこの俺が貴様を・・・・・・・・。
 
い「聞き捨てならないわね!沙紀ちゃん!」
遙「そうだよ!」
く「くるみも許せない!」(ダメ・・・お兄ちゃん)
 
俺の怒りを察知したのだろう、三姉妹は俺に加勢するフリをして、
沙紀と俺との間に壁を作っていた。
 
沙「億彦君、この三人・・・・」
億「うん。どうやら石原に洗脳されたようなんだ・・・・
かわいそうに・・・・この合宿が終わったら全員、医者に見せた方がいいと思う」
 
そういや、話が変な方向にいってるな・・・・・俺も会話に戻らなければならない。
よし、モード変換!俺のモードは即座に切り替わった。
これに反応してか三姉妹のモードも切り替わる。
 
優「誠、何でこんなことしたの!」
誠「いや・・・俺は別に何もしてないぞ」
沙「嘘ね」
誠「本当だ!」
優「というか何で誠、マッチョなんかになったの!?」
誠「それは以前の合宿で遙が交通事故にあっただろ。
それで何とか助かったけど、俺がもっと強くたくましかったら
これは防げたんじゃないかと思ったんだ」
遙「それで誠、がんばって、ここまで鍛えたんだよ」
沙「そうだったの、だけど・・・・」
誠「クックックックック・・・・・わかったか、このクソお嬢様が、分際をわきまえろ。
格が違うのだ、格がな!」
沙「ドが行き過ぎね」
沙 「かつ誠くんのアホ化が急速に進んだことや
超絶マッチョ馬鹿という事実は変わらないわ」
誠「・・・・・・・」
 
こんなことが許されるというのか・・・・いや許されない。
だが俺は今、寛大な心へと変化している。この程度ではキレませんよ〜。
 
い「まあ、そんなのどうでもいいじゃない夕食は盛大よ〜」
誠「おお〜!なんとも絶品なマッチョ料理ばかり!!」
誠 「しかしいづみさん、何故、鶏肉なんですか?
 個人的にはビタミンも多く含まれる豚肉がいいんですがね」
い「あら、誠くん、私を見くびっちゃあ困るわね」
誠「?」
い「鶏肉はたんぱく質が多く、かつ消化によく、
 さらに脂肪がつきにくいため筋肉がつき易いのよ」
誠「そうだったのか!いづみさん!」
誠「俺の健康・食事・管理係になってくれ!」
遙「それじゃあ、私は必要ないの・・・」
 
泣きそうな目で見つめる遙。
 
誠「何を言ってるんだ、遙は俺の最高のマネージャーだ」
 「いづみさんとはパートが別だし、必要ないわけないじゃないか!」
遙「うん・・・・誠ならそういってくれると思ってた」
 
そのときの遙の顔は晴れ晴れとしたものだった。
まあこれは本心だが・・・・。
 
い「ウフフフ、まあ考えとくわ、でもその時はくるみもね」
 「この子、まだまだ子供だしね」
く「失礼なこというなぁ〜、お姉ちゃん!」
 「くるみはもう大人だよ!・・・・・でもついては行くよ」
誠「・・・ふむ、いづみさんのオマケか・・・まあいいぞ」
く「むむむぅぅぅ・・・これまた失礼なぁぁぁ」
誠「すまん、すまん。ごめんな、くるみ」
 
その後、くるみはすぐに機嫌を直した。
その感情の変化は俺の理解範囲外だった。
 
い「食後は紅茶かコーヒーでカフェインを取るといいわ。
カフェインには脂肪を燃焼する働きがあるから、
その後、運動したら脂肪が良く燃焼するわよ」
誠「さすがいづみさん。ますます管理係にしたい!」
沙「それよりいづみさん。周りのマッチョポスターやグッズは許せますが、
このマッチョ料理は気品ある私には向かないわ。他にありません?」
 
こいつは苦情しか言わないのだろうか?
という素朴な疑問が込み上げてくる。
 
億「というか店の雰囲気変わりすぎでは・・・・」
い「だってマッチョになった誠君が来るって言うから、
半年前から店名も変えたのよ。もともと人気ないしね」
い「名前はルナ・マッスルよ。最高と思わない?」
億「・・・・・・・」
誠「最高っすよ!」
俺はその店名に感激を覚えた。
 
月の筋肉・・・・・・美しい・・・・美しすぎる!!
い「あら、うれしいわ。変えた価値があるってもんね」
 
沙「ということは・・・他は?」
い「当然ないわ」
沙「・・・・・・」
 
そういえば優夏が全然しゃべってない・・・・。
と思って見てみればルナ・マッスルのポスターやグッズを見て、凍りついていた。
俺はこの環境で凍りつく奴を初めて見た。
 
遙「大丈夫。プロテインや卵多量は誠だけだから」
誠「まあさすがに俺も、ムキムキの女の子が好きなわけではないからな」
沙「当然よ・・・・ならいただくわ」
 
その後、俺達は食事を終えロッジに戻ることにした。
しかしいづみさんは管理係にしたい・・・さらにくるみもついてくる。
もってこいだな、俺を慕う三姉妹・・・・・うむ、良い!
 
誠「さて走って帰るか」
沙「断るわ、もう満腹でそれどころじゃないし」
億「HAHAHA、実は僕もそうなんだ」
優「私も・・・・・」(無理やり走らされそうな気が・・・)
誠「なら仕方ないな。消化に悪いし、明日に響く。」
 「だが明日もトレーニングするからキッチリ休んどけよ!」
 「遙、行こうか」
遙「うん」
 
ついでに遙は電動自転車だ。
前にも言ったがマネージャーだからだ。
 
誠「御壱弐参死!御壱弐参死!!」
(おいっちにさんし!おいっちにさんし!!)
 
沙「アレ・・・・もしかして私もやるの?」
億「たぶん、いや確実に・・・・」
沙「・・・・・」
 
まだ合宿は始まったばかりである・・・・。
 


>>合宿2日目






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